猫の水飲み容器、好みはそれぞれ わが家はかなり個性的な器がハマりよく飲むように

 猫の祖先は砂漠で暮らしていたので、積極的に水を飲まなくても体は維持できるといいます。でも暑い時期には水を飲むことで体温を調節して夏ばて対策にもなるので、十分に用意したいもの。じつは最近、うちでは意外な容器が猫にハマり、前よりよく飲むようになりました……。

(末尾に写真特集があります)

 我が家には3歳のオス猫はっぴーと、16歳のメス猫イヌオがいますが、2匹のために、この夏は5つくらい容器を置いています。

 ボウル型の陶器が3つと、四角いプラスチック容器が2つ。こんなに置いているのは、もちろん夏バテをしないように、のどをうるおして欲しいからなのですが……。

器から水を飲む猫
はっぴーは奥の猫浄水器で軟水化させた水道水を飲む(器の好みは日替わり)

水カフェテリアで苦手をクリア

 はっぴーはもともと、子どもの頃からあまり水を飲みませんでした。ドライフードを中心に食べていたのでもっと飲んでほしいと思ったのですが、器からぺろぺろなめる程度。

 2歳ごろ、尿に結晶が出たのでフードを変え、水のことも獣医さんに相談すると、「容器を好きな場所にいくつか置いて」とのこと。よくトイレカフェテリアといって、砂の種類を変えて置き、猫に選択させる方法がありますが、水をいろいろな容器で試そうというわけです。

 それで、“猫がよく飲む”と言われる水の容器を調べて取り寄せて、居間のほか、キッチンの入り口や脱衣所にも置くようにしました。(中身は基本的に水道水)

 そんなふうに工夫するうちに、はっぴーは前よりも水を飲んでくれるようになりました。中でも、鉱物とバイオセラミックスを焼成して作られた人工機能石を素材に、約1100度の高温で焼成した陶器(といううたい文句!)の器がお気に入り。同じ素材で形違いを買いましたが、大きくずっしりしたのが好みのようです。

 以前飼っていた猫は、お皿で飲むより、トイレの(蛇口からちょろちょろ出てくる)水を何よりも好んでいたので、猫によって水への興味はいろいろだなと思いました。

水槽の水を飲む猫
水槽の前に置いた“猫用水槽”からゴクゴク水を飲むイヌオ

水槽の前に飲み水用の水槽

 水への興味といえば、イヌオの水槽への好奇心には目を見張るものがあります。今年初めから家でメダカや熱帯魚を飼っているのですが、イヌオは日に何度も魚を見にいきます。近頃は足腰が痛いのか行動範囲が狭まり、ベッドか、窓辺か、水槽の前。数メートルの一直線上にあるそのいずれかにいます。

 春に少し体調を崩して以降、「水槽の前にいる」時間が増えた気がします。魚を見たいのか、はたまた水槽の水を飲みたいのか。知りあいの医者に話すと、意外な言葉が戻ってきました。

 「病気の人が、水槽の中で泳ぎ回る魚を見て元気になったという論文がありますよ。イヌオちゃんも、案外、泳ぐ魚を見て癒やされているのかもしれない」

 なるほど!その時ふと思ったのでした。大好きな“魚の前”に飲み水を置いたら、楽しみながら水を飲めるのではないか、と。足が痛くて水を飲みにいくのが辛いと可哀想です。

 ちょうど、買って使っていなかった小さなプラ水槽があったので、水を入れて置いてみました。すると、おいしそうに飲むわ、飲むわ。メダカや熱帯魚を見ながら、1.3倍くらいゴクゴクと飲むようになりました。

 水飲みが苦手なはっぴーまでやってきて「何それ、僕にも飲ませて」というように顔をつっこむ始末。だから、2匹で飲めるように、飲み水用のプラ水槽を2個並べたわけです。

猫友宅でもクセが強めの水飲み

 うちの水飲みはかなり個性的だと思うけど、周りはどうかな?数名の猫友に聞いてみました。すると十猫十色、みんなそれぞれでした。

水を飲む龍君

 例えば黒猫の龍君は、部屋にドライフードと水を並べてあるのに(スルーして)風呂場で好んで飲むそうです。しかも、おけにくんだお湯を“前脚ですくう”のが日々の所作。

 この家の猫は代々、風呂場のおけの水を手ですくって飲むそうで、龍君は赤ちゃんの頃から一緒に過ごした先代猫虎君のマネをしたのだとか。虎君はそのまた先代のマネをしていたそう。飲み方ってマネするんですね。

水を飲むまりちゃん

 一方、三毛のまりちゃんは、キッチンの蛇口から流れる水を、シンクに入りこんで“直飲み”するのがお気に入り。水が跳ねないように蛇口の下にコップを置くのがこだわりです。クセが強め、でも、送ってもらった動画は何とも楽しそうです。

 自動給水器を使っているキジ猫の銀ちゃんも、遊びの延長のように面白そうに水を飲んでいます。このタイプはほこりが取れて、日に何度も水を替える必要がなくて便利ですね。ちなみに銀ちゃんは、同居猫とつるんで浴槽の水を飲むこともあるそう。

給水器から水を飲む猫
自動給水器から優雅に水をたしなむ銀ちゃん(銀の飼い主さん提供)

 大きめのガラス製の“計り”を猫の水飲み代わりにしている例もありました。飲んだ量を飼い主さんが把握するために“目盛り”付きにしたのだけど、猫が気に入ったのだとか。

 水は、急にたくさん飲み始めたら病気のサインということもあるし、ぜんぜん飲まないと体温調節ができなくなったり、泌尿器系の病や便秘になりやすくなるので、その子がよく飲む=こだわりの器を用意して、日々チェックしてあげたいものですね。

 あっ、今、昼寝していたイヌオがむくむく起きて水槽の前まで水を飲みにいきました。魚を見ながら猫が水をたしなむ、その姿に癒やされる私なのでした。

【前の回】16歳を超えた愛猫 覚悟は必要、でも出来る限り明るくいたい

藤村かおり
小説など創作活動を経て90年代からペットの取材を手がける。2011年~2017年「週刊朝日」記者。2017年から「sippo」ライター。猫歴約30年。今は16歳の黒猫イヌオと、2歳のキジ猫はっぴー(ふまたん)と暮らす。@megmilk8686

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この特集について
ねこ飼い日記
古い魚屋の天井が崩れ、落ちてきた子猫「はっぴー」。その成長と、引き取った筆者との生活ぶりを同時進行でつづっています。
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