ガリガリなゴールデンが町を放浪 犬好き一家で2倍に成長
町の中を放浪していた、やせた大型犬ゴールデンレトリーバー。動物管理センターに収容された後、犬好きの一家に引き取られた。もりもり食べて、体重は2倍近く成長し、立派な犬になった。
町を放浪していた大型犬
兵庫県に住む西山さんは、ふゆちゃんという元保護犬を飼っていた。譲渡サイトを通じて譲渡してもらった犬で、他の犬が苦手な犬だった。
2008年8月、ふゆちゃんと近所を散歩していると、ラブラドールレトリーバーのようなやせた大型犬がいて、後をついてきた。ふゆちゃんはうなっていたが、西山さんは、何かを訴えかけるように見つめる眼差しが気になって仕方がなかった。
帰宅して家族に話すと、その犬のことを知っていると言い、前からうろうろしていると近所の人も言っていた。
西山さん一家はみんな動物好きで放っておけず、家族で捕獲しようということになった。だが「一生懸命探したのですが、見つからず、誰かが保健所に通報して、連れていかれたようでした」。
収容され、譲渡へ
西山さんは神戸市の動物管理センターに連絡した。センターには譲渡支援事業ボランティアグループの日本動物福祉協会CCクロ(通称:CCクロ)が協力している。収容犬の散歩や世話をしている団体だ。CCクロのサイトには、収容犬の写真が掲載されているが、西山さんが探していた犬も掲載された。
収容された当初は遺失物扱いになるので、譲渡対象になるかどうかさえ分からない状況だった。やがて譲渡対象になったので、9月17日に譲渡してもらえることになった。
「ガリガリにやせて、大型犬なのに体重は19キロくらいしかありませんでした。皮膚の状態も悪く、治療が必要かもしれないと言われました。まったく被毛に艶がなかったのでラブラドールだと思ったのですが、ゴールデンレトリーバーでした。まさかゴールデンが捨てられるなんて。そういう子でも捨てられるんだなあと思いました」
ゴールデンは動物管理センターにいた時、「ビオラ」という名前をもらっていた。
「保護犬や保護猫を飼う時、飼い主が変わったからといって名前が変わるのはかわいそうな気がするんです。保護された時に生まれ変わったのだから、名前を変えず、ビオラと呼ぶことにしました」
散歩に出かけると、「気にしていた」「見たことがある」と声をかけてくれる人がたくさんいた。みんな「よかったね!」と言ってくれたという。
ビオラちゃんは当初、虐待体験があるのか、傘や長い棒を持っている人を見ると、とても怖がり、大きな声にも怯えていた。家になれると、もりもり食べて肉付きも良くなり、体重は36キロまで増えた。先住犬のふゆちゃんも最初は怒っているようだったが、徐々にビオラちゃんを受け入れていった。
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