自ら住む家を選んだ? 庭暮らし3カ月、台風の日に家猫になる
猫好きな人には、猫の方から寄って来るのだろうか。どこからともなくやって来て、庭に住み着いた野良猫。台風が近づいた日、危険を逃れるようにして、自分で家の中に入り込み、以来、家猫になった。
庭猫として3カ月
大阪府内にある植田さん宅。2015年4月くらいから、庭にやって来る野良猫がいた。リンゴの木箱をいくつか置いていたので、そこをねぐらにしていた。
それまで家の中で飼っていた猫が16歳半で旅立ったばかりだった。
庭をうろうろしている野良猫を飼うとも飼わないとも決めずに、3カ月ほどエサをあげていた。7月の終わりになり、台風が近づいてきた。荒れ模様の天気のため、「危ないから家に入ってこないかなぁ」と思いつつ、庭の植木鉢などを片付けていると、その猫は危険を察知したのか、自分で玄関から家の中に入って来た。
「どこに行ったのかと思ったら、ソファにいたんです」
食いしん坊で大きな猫
毛色が栗きんとんのようだったので、「マロン」。生後約1年、最初は、近づくと威嚇してきたが、数日で慣れてきた。頭をなでると、「もっと触って」とべったり甘えてくる猫になった。
直前まで野良たったにもかかわらず、大人しく、家の中を走りまわることもない。
ただし、大食漢で、犬のようにガツガツと食べる。家に来た時から体重は6キロほどある大きな猫だった。「マロン」と呼ぶと、「ニャッ」と答える。
1週間の家出騒動
植田さんは翌年8月には、野良の子猫のきなこちゃんも保護して一緒に飼うことにした。そうして2年近くたった2018年春、なぜか、きなこちゃんがマロンくんに急に襲いかかった。
大人しいマロンくんは、急な出来事に慌てて、網戸を破って逃げて行ってしまった。どこに行ったのか分からず、1週間ほど行方不明になった。
「自分で庭に帰ってきたので、キャットフードを持って出たら、『ごはんをちょうだい、ごはんをちょうだい』というように鳴くんです」
マロンくんときなこちゃんは、特別仲がいいというわけではないが、その後はつかず離れずうまくやっているという。
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