畑に捨てられていた三毛の子猫 譲渡先で“お嬢さまキャラ”発揮

顔つきも、ザ・女子。三毛猫アンジェリーナ
顔つきも、ザ・女子。三毛猫アンジェリーナ

 畑にダンボール箱に入れて子猫たちが捨てられていた。まだ離乳前の赤ちゃんだった。猫の保護活動をしている知人が預かり、引き取り手を募集。三毛の子猫は動物好きな夫婦の家に迎えられていった。

(末尾に写真特集があります)

 2015年10月、奈良県。農家が朝、畑に出ると、見覚えのないダンボール箱がぽつんと置いてあった。何だろうと近づくと、中には3匹の小さな子猫が入っていた。誰かが捨てていったらしかった。

 農家は猫を飼ったことがなく、飼うつもりもなかったので、猫の保護活動をしている知人に連絡した。

 その知人に託された3匹の子猫は、ミルクを飲ませて育てられた。

おうちに来た頃、とても小さな女の子だった
おうちに来た頃、とても小さな女の子だった

三毛猫が好き

 子猫たちはすくすく成長し、1カ月後には譲渡先を募集できるまでになった。譲渡先募集をフェイスブックで見て、手を上げたのは、奈良県内でイタリアンレストランを営む前澤さん夫妻だった。

 夫婦は前の年、別の保護猫も家に迎えており、それから1年余り。3匹のうち、三毛猫(メス)が気に入って、譲渡してもらうことになった。

良くも悪くも女の子

 三毛猫は2015年11月、前澤家に2匹目として迎えられ、「アンジェリーナ」と名付けられた。

「写真で見るよりもずっと小さな女の子でした。まだ離乳したばかりだったので、お店のランチタイムが終わると、急いで家に戻って、ご飯をあげました」

 家には先住犬のチビ太くん(チワワパピヨン)やボスくん(ラブラドールレトリバー)、元保護猫のリナちゃんがすでにいたが、子猫のアンジェリーナは物怖じすることもなかったという。

床がひんやりして気持ちいい
床がひんやりして気持ちいい

 むしろ、向こう気が強く、その後、前澤家にやって来る猫が気に入らなかったようで、そのたびにケンカをふっかけた。

「小さな体に似合わず、性格は“ザ・ 女子”という感じ。他の猫と仲良くできないので、だんだん居場所がなくなって、ストレスからか血便を出したこともあります」

 血便は無事治ったが、多頭飼いの前澤家の中で、その後もマイペースを貫いているという。

 妻の前澤睦さんは、保護猫を迎えたことをきっかけに、次第に地域猫や野良猫の保護活動に目覚めていった。「Life for cats in NARA」という団体をを立ち上げ、地域猫活動アドバイザーを招いて講演会を開催するなど、精力的に活動している。

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渡辺陽
大阪芸術大学文芸学科卒業。「難しいことを分かりやすく」伝える医療ライター。医学ジャーナリスト協会会員。朝日新聞社sippo、telling、文春オンライン、サライ.jp、神戸新聞デイリースポーツなどで執筆。FB:https://www.facebook.com/writer.youwatanabe

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