会社の駐車場にいた子猫 家に迎えると、夫婦は可愛さのとりこに

 会社の駐車場で1匹の子猫が見つかった。その会社の従業員が捕まえ、家に連れ帰って飼うことにした。それまで夫婦とも特に猫好きというわけではなかったが、それ以来、猫のとりこになってしまった。

(末尾に写真特集があります)

繁殖して「野良猫ストリート」

 2015年6月、京都府内にある会社の駐車場。10時半頃、この会社に勤める坂田さんは猫の鳴き声がするのを聞いた。段ボール箱などが雑多に置かれた場所を探すと、1匹の子猫がいた。

「最初はお母さん猫が帰ってくるのを待っているのかなと思ったのですが、夕方になってもお母さん猫は現れませんでした」

 近所の人が出てきて、「お母さん猫は帰ってこないよ」と教えてくれた。その人によると、最初は子猫が3匹いて、1匹は自分でどこかへ行き、もう1匹はその人が飼うことにしたのだという。駐車場にいた子猫は、残った最後の1匹だった。

 会社の近くには古いアパートがあり、そこに住んでいたおばあさんが猫を多頭飼育していた。アパートが取り壊されることになり、おばあさんは連れていける猫だけ連れて出て行き、残りの猫はアパートに遺棄された。アパートはその後1年ほどはそのまま残っていたので、残された猫たちは雨風をしのぎ、ひっそりとエサをやりに来る人から食べ物をもらって、自然に繁殖していた。

お腹いっぱいになって眠る子猫時代のかもめちゃん

 その猫たちが野良猫になって地域に住み着いたので、周辺は「野良猫ストリート」とも呼ばれていたという。そうした猫が産んだ子猫たちが、駐車場に迷いこんできたと考えられた。

飼ってみて、可愛さにはまった

 子猫に近寄ると、駐車場に置いてある物の陰に隠れてしまった。坂田さんは、同僚と一緒に子猫をはさみ撃ちするようにして捕まえた。抱っこしてしまうと、子猫はおとなしくなった。

 坂田さんの夫は実家で犬を飼っていたこともあり、どちらかというと犬派だった。「子猫を連れて帰っていい?」と電話で尋ねると、すぐに「いいよ」と返事が返ってきた。

「私も猫が好きだったわけではないのですが、飼ってみると、夫婦で猫の可愛らしさにはまってしまいました」

お気に入りのちぐらに入って

 子猫は体重510グラム、生後1カ月くらいだった。名前は、以前から動物を飼ったら付けようと決めていた「かもめ」にした。ひらがなで書いた時の柔らかな印象も気に入っているという。

女王様のように成長

 かもめちゃんは、坂田さん宅にやって来てもまったく平気だった。すぐにおやつを平らげ、トイレもした。

 お風呂だけは洗われるのが嫌いなので近寄らないが、ずっと坂田さんのそばにくっついている。ただし、家族以外の人が来ると、隠れたまま出てこない。

「『かもめ~』と名前を呼んで、床をトントントンとたたくと、走ってくるのですが、その様子が可愛くて。チュールのことを『スープ』と呼んでいるのですが、スープと言うと、眼をキラキラさせて飛んでくるところもたまりません」

 現在、坂田さん宅では4匹の猫を飼っているが、かもめちゃんは女王様気質。ママのひざの取り合いが始まると、誰がいても押しのけて「私が乗るわよ」というように、ひざの上を独り占めするのだという。

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渡辺陽
大阪芸術大学文芸学科卒業。「難しいことを分かりやすく」伝える医療ライター。医学ジャーナリスト協会会員。朝日新聞社sippo、telling、文春オンライン、サライ.jp、神戸新聞デイリースポーツなどで執筆。FB:https://www.facebook.com/writer.youwatanabe

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この特集について
幸せになった保護犬、保護猫
愛護団体などに保護された飼い主のいない犬や猫たち。出会いに恵まれ、今では幸せに暮らす元保護犬や元保護猫を取材しました。
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