草むらで寝ていた青い目の子猫 譲渡先から2日で出戻り、家猫に
野良猫にもいろいろな猫がいる。青い目をしたシャム猫のような子猫が野良猫の一団の中にいた。捕獲しようとすると、他の猫はちりじりに逃げてしまったが、その子猫だけ、なんと同じ場所で眠り続けていた。穏やかな猫だが、譲渡先から2日で戻され、結局、保護主宅の家猫に。先住猫の中でも、そのおっとり具合は変わっていない。
近づいても眠り続けていた子猫
職場の前の草むらに、数匹の野良猫が暮らしていた。母猫と3匹の子猫、他に2~3匹いた。
大阪府に住む宮沢さんは猫の保護活動をしている。2018年11月28日、その野良猫たちに近寄ってみた。みんな蜘蛛の子を散らすように逃げて行った。ただ1匹、白い体にチョコレート色の模様、きれいな青い目をしたシャム猫のような子猫だけは、何事もなかったかのように、その場ですやすやと眠り続けていた。
「いったんその場を離れ、1時間後くらいに私が戻ると、まだ同じ場所に寝ていたので、そのまま抱っこして保護しました」
おしゃれな名前をもらう
宮沢さんが動物病院に連れて行くと、10月25日ごろに生まれた子猫だということだった。宮沢家の猫たちのかかりつけの獣医師は「誕生日があったほうがいいでしょう」と、野良猫にも誕生日をくれる。
子猫は「昏男(くれお)」くんという、おしゃれな名前を付けられた。前にクレオパトラという名前の猫を飼っていて、子どもがそこから取って付けたのだという。
昏男くんを保護した草むらには、エサやりのボランティアが来てはキャットフードをあげていた。子猫だった昏男くんもそれを食べて生き延びていたと考えられる。
母猫と他のおとなの猫は、後日、TNR(捕獲して不妊去勢手術を受けさせて元の場所に戻す)をし、ほかの1匹の子猫は譲渡したという。
慣れる前に2日で戻される
昏男くんもすぐに譲渡先が決まった。だが、2日後に戻されてしまった。
「先住猫のいる家庭だったので、いきなり昏男くんをフリーにするのではなく、ケージに入れて先住猫と慣れさせてくださいと言ったのに、いきなりフリーにしてしまったんです。先住猫がシャーシャーいって威嚇するもんだから、昏男も怖くなってシャーシャー言ってしまう。相性が悪い、と言って返されてしまったんです」
「人や他の猫がいる場合、新しい猫はケージを入れてカバーをかけ、時々カバーを開けて、少しずつ慣らす必要があります」
だが、宮沢さんは、すぐにあきらめて猫を返してくる人を深追いしない。
「わざと逃がしてしまう人もいて、無理強いすると、野良猫になってしまう」
もっとも昏男くんが戻ると、先住の若いオス猫、鉄男くんは、遊び相手になる弟分がやって来たと歓迎した。身体の上に乗っては、首をかんでマウントする。乗られた昏男くんは、「ニャアー!」と言って怒るが、本気では怒らない。お兄ちゃんを受け入れる、とても穏やかな猫だという。
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