高架下に捨てられていた三毛の子猫 譲渡先の猫たちのボスに君臨

淡い毛色の三毛猫ミナちゃん
淡い毛色の三毛猫ミナちゃん

 夏前の梅雨のはしりの季節。高速道路の高架下で、三毛の子猫が拾われた。譲渡サイトで引き取り手を募集したところ、猫好きな夫婦と巡り合った。大きく成長し、家の猫たちのボスになっていた。

(末尾に写真特集があります)

淡い毛色の可愛い三毛猫

 2015年6月、大阪府内の高速道路の高架下。段ボール箱に入れて子猫が捨てられていた。中に入っていたのは2匹。姉妹のようだった。箱の中には、猫のほかは食べ物も水もなかった。

 たまたまそばを通りかかった保護主さんが見つけたが、高齢だったので、猫の保護活動をしている人が代理になって、譲渡サイトで里親を募集したという。ミーちゃん、ケイちゃんという仮名がつけられていた。

ボスっぽい顔も見せる三毛猫ミナちゃん
ボスっぽい顔も見せる三毛猫ミナちゃん

 一方、大阪府内で猫の保護活動をしている高野さんは、2匹の保護猫を飼っていたが、オス猫ばかりだったので、女の子も欲しいと思うようになっていた。夫婦でメスの三毛猫がいいと話し合っていた。

 ひとくちに三毛猫といってもいろんな柄や色合いがあるが、高野さんが譲渡サイトで見つけた子猫は、全体に淡い色合いだった。かわいいと思った高野さん夫妻はすぐに応募。8月からトライアルがスタートした。三毛の子猫はミーちゃん改め、「ミナ」と名付けられた。

 最初は、先住の白猫がケージ越しにシャーシャーいって威嚇したが、1週間くらいで収まった。互いになれ、ケンカもせず仲良くやっていたが、ミナちゃんは成長するにつれ、ボス猫化していった。

「猫はどちらかというと女の子のほうが、気が強くて、物怖じしないでしょう。ミナもすぐに大きくなって、他の猫を圧倒して、リーダー格になったんです」

猫のための家

 高野家では、現在6匹の家猫と、将来譲渡する保護猫を飼っている。家猫と保護猫の居住スペースは完全に切り分けている。

猫は整列してごはん待ち
猫は整列してごはん待ち

 6匹の家猫がごはんを食べるのは、それぞれのケージの中でだ。「ごはんは必ず個室で食べさせています。たくさん食べる子は太ってしまうし、どの子にどの薬をあげたのか分かるようにしておかないと、投薬管理ができないから」

 それぞれの猫がくつろげるねぐらも設置されていて、手作りのキャットウォークや宇宙船など、猫のためのDIYに余念がない。キッチンに入ってやけどをしたり、窓から外に飛び出て行ったりしないよう、猫の安全を考えたフェンスも各所に設置してある。

 ミナちゃんは捨てられた過去など忘れて、幸せに暮らし、後から家に来たハチワレ猫と覇権争いをしているという。一緒に保護されたケイちゃんも、別の家にもらわれて幸せになったそうだ。

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渡辺陽
大阪芸術大学文芸学科卒業。「難しいことを分かりやすく」伝える医療ライター。医学ジャーナリスト協会会員。朝日新聞社sippo、telling、文春オンライン、サライ.jp、神戸新聞デイリースポーツなどで執筆。FB:https://www.facebook.com/writer.youwatanabe

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この連載について
幸せになった保護犬、保護猫
愛護団体などに保護された飼い主のいない犬や猫たち。出会いに恵まれ、今では幸せに暮らす元保護犬や元保護猫を取材しました。
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