新型コロナ、ペットから感染する証拠なし 飼い主がまず予防策を

:香港政府が3月4日に、新型コロナウイルスの感染者が飼っていた犬1匹を検査したところ、低レベルの感染が確認されたという報道がありました。新型コロナウイルスはペットにうつるのでしょうか?

:感染広げた形跡なし 冷静な対応を

 今の時点で、犬の体内でウイルスが増殖していることまでは確認、報告されていません。また犬は無症状で、別の動物に感染させている形跡もないようです。

 つまり、新型コロナウイルスの感染者(人)から、犬に感染する可能性があるとされているものの、犬に感染した新型コロナウイルスが犬の体内で増殖し、それが人を含めたほかの動物に感染を広げていくことは別の話だということです。香港政府も、「ペットが新型コロナウイルスの感染源になるという証拠はない」と強調しています。

 もともと犬にも、軽い下痢の症状などが出る、犬固有のコロナウイルス感染症があります。猫にもあり、猫の場合は伝染性腹膜炎を起こします。しかしそれぞれのコロナウイルスは、種を超えて他の動物にうつる可能性がきわめて低い特性を持っています。ですので犬のコロナウイルス感染症が、人や猫などにうつることはありません。

 今回はウイルスが何らかの急激な変異をした可能性がありますが、香港の事例を見ている限り、過剰な危機意識を持つ必要はなく、冷静に対応することが大切だと考えます。香港政府も「過度に心配する必要はなく、いかなる状況でもペットを捨てるべきではない」としています。まずは飼い主がウイルスに感染しないようしっかり対策をし、万が一感染した場合には、ほかの人はもちろん飼い犬にも接触をしないよう気をつけることです。

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山根義久
1943年生まれ。動物臨床医学研究所理事長、倉吉動物医療センター・米子動物医療センター 会長、東京農工大学名誉教授。医学博士、 獣医学博士。2013年まで日本獣医師会会長を務めた。

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