「ダントツかわいい」子猫にひと目ぼれ 独身男性の猫ライフ

 ネットで見つけた淡い色の茶トラの子猫にひと目ぼれ。独身男性は譲渡へのハードルが高いが、譲渡を受けて、猫との楽しい暮らしを始めた会社員がいる。

(末尾に写真特集があります)

難航した捕獲

 大阪府内にある大学の近く、飲食店が立ち並ぶ地域に、野良の母猫と子猫の一家が生きていた。だが、近くに交通量の多い道路があって危険なため、「まちねこ東大阪の会」が親子猫の保護に乗り出した。

 まちねこ東大阪の会はまだ活動を始めて間もなく、捕獲やTNRにあまり慣れていなかった。そのため、猫たちの保護には苦労したという。

 母猫はとても用心深く、なかなか捕獲器にかからなかった。母猫に教えられているのか、子猫もなかなか入らず、手ごわかった。

おもちゃに夢中な小麦くん
おもちゃに夢中な小麦くん

 そこで、まちねこ東大阪の会の代表・小西さんは猫たちにエサを与えていた人に応援を依頼した。捕獲器にエサを入れてもらい、猫が入ったら扉をしめないでおいた。それを何度か繰り返すことで、次第に捕獲器への警戒心が薄らいでいったようだった。

 そうして駐車場に捕獲器を設置して、2017年9月30日にきょうだい猫を保護、10月1日に子猫1匹を保護、残る1匹も10月8日に保護した。母猫のTNRにも成功した。子猫たちは、生後3カ月くらいになっていた。

飼うなら保護猫

 大阪府に住む石井さんは独身の会社員。実家でも猫を飼っていた。

「社会人3年目になって仕事も落ち着き、時間や経済的余裕ができたので、猫を飼いたいと思って譲渡サイトで探したんです。猫をペットショップでお金を出して買うのは抵抗がありました。ブリーダーも必ずしも良心的とは限らないですし、パピーミルのことも知っていました」

「パパ大好き」
「パパ大好き」

 譲渡サイトで見た淡い色の茶トラ猫が「ダントツでかわいかった」という。大学近くの駐車場で保護された子猫のうちの1匹だった。

 まちねこ東大阪の会に出向くと、子猫が4、5匹いたが、気持ちは揺らぐことなく、石井さんは、その茶トラの子猫を譲渡してもらうことにした。独身男性には譲渡しない保護団体が多いが、まちねこ東大阪の会は、人となりを見て、独身男性にも譲渡している。

自然にして慣れるのを待つ

 2017年11月、子猫は石井さんの家にやって来た。「小麦」と名付けた。だが、小麦くんはベッドの下に隠れてしまい、そのまま一生出てこないように感じたという。だが、3日ほどすると、慣れてきて、やっと顔を見せてくれるようになったという。

「あまりかまいすぎてもストレスだろうと思い、自然にして待ちました」

 そうしているうちに、朝と夜、ごはんをくれる人だと思ったようで、次第に小麦くんは石井さんに心を開いていったという。今や相思相愛の状態。「小麦は僕にだけ懐いてくれるんです」と、石井さんは顔をほころばせた。

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まちねこ東大阪の会
殺処分ゼロ、人と動物が共存できる街づくりを目指して、2016年12月に立ちあげたボランティアグループです。2020年3月10日現在、オス384匹、メス433匹(耳カットのみ7匹)のTNRをし、163匹の保護猫を新しい家族につないでいます。
【ノラ猫なくし隊!】
全ての猫達を救うことはできないけれど不幸な猫達を減らすことはできる。ノラ猫なんて言葉もなくなる世の中を目指して日々活動しています。
渡辺陽
大阪芸術大学文芸学科卒業。「難しいことを分かりやすく」伝える医療ライター。医学ジャーナリスト協会会員。朝日新聞社sippo、telling、文春オンライン、サライ.jp、神戸新聞デイリースポーツなどで執筆。FB:https://www.facebook.com/writer.youwatanabe

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この連載について
幸せになった保護犬、保護猫
愛護団体などに保護された飼い主のいない犬や猫たち。出会いに恵まれ、今では幸せに暮らす元保護犬や元保護猫を取材しました。
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