サプライズで買った子猫 夫婦喧嘩に発展し「猫を捨てに行く」
サプライズ・プレゼントに、大きなリボンをつけて犬や猫を贈る動画がある。だが、現実には、贈られた側が必ずしも喜ぶとは限らない。ペットショップでクリスマス・プレゼントとして買ったシンガプーラの子猫。それが原因で夫婦喧嘩に…。新婚の夫は「猫を捨てに行く」と言い放った。
猫を今から捨てに行く!
2014年のクリスマスの夜。大阪に住む三井さんのスマートフォンに電話がかかってきた。いつもはメールやLINEのメッセージで連絡してくることが多い友人からだったので、三井さんはちょっと驚いた。
世間はすっかりクリスマスの幸せな空気に満ちていたが、電話の向こうからは切羽詰まった声が聞こえてきた。
「電話をかけてきた友達の友達が新婚だったのですが、結婚前にご主人に『猫を飼いたい』と言ったところ、『いいよ』と承諾してくれたそうなんです。それで結婚してまもなく、奥さんは夫を驚かせたいと思い、黙ってペットショップでシンガプーラの子猫を買ったんです。ところが、夜9時過ぎに帰宅したご主人は、猫を見るなり、激怒したそうなんです」
激高したご主人は「今から返してこい」と言い、「ペットショップはもう閉まっている」と奥さんが言うと、「すぐに返せないのなら、公園に捨てに行く」と言い放ったのだという。
ご主人の怒りはまったく収まる気配がなく、「捨てに行く」「そんなことはできない」と押し問答になり、もめにもめているということだった。
夜更けに猫を保護
三井さんの友人は、三井さんが2匹の猫と暮らす愛猫家だと知っていて相談したのだ。電話で話している間にも刻々と過ぎていく時間。三井さんは、何のためらいもなく3匹目の猫を引き受けることにした。
夜更けに大阪から神戸まで車を走らせ、三井さんは猫を渡してもらった。
「あと少し遅ければ、公園に捨てられていたんです。普通は『捨てる』と言ったって口だけだと思うでしょうけど、そのご主人は本気だったんです」
猫を手放した夫婦はこの事件をきっかけに険悪になり、その後、性格の不一致を理由に離婚したという。
10匹の中でもラスボス的な存在
シンガプーラは当時、有名芸能人が愛猫だと言っていたこともあり、人気が急上昇していた。
三井さんが迎えた猫は2013年9月21日生まれで、生後約2ヶ月。モモちゃんと名付けられた。大きな目と小さな体をした可愛い猫だが、ラスボス的な存在になったという。三井さん宅の猫は増え、現在10匹の猫を飼っているが、モモちゃんの右に出る猫はいない。しかし、そのモモちゃんも人間は好きで、甘えてくるという。
人見知りもなく、家に来た業者さんの膝の上や肩の上に堂々と乗っかることもある。ただ、ちょっと気分屋さんで、そうしたギャップがまた人を惹きつけるのだという。
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