自宅で採った猫のオシッコを動物病院で検査 膀胱炎が見つかった
連載「猫アレルギーですけど」の筆者ヤスダユキさんのオシッコチェック奮闘記の後編です。ようやく自宅のシステムトイレで、愛猫の尿を採取することに成功。動物病院にオシッコだけを持参して、尿検査を受けることになりました。
◇ ◇
たまったオシッコを持って病院へ
システムトイレにたまったオシッコを採取して、次は動物病院に持っていくことになります。事前にかかりつけの病院に相談すると、注射器のような形をしたスポイトを無料で渡してくれました。(※各家庭にある清潔な容器に入れるなど、方法は動物病院に聞いてください)
病院に持参するオシッコは6時間以内に排泄されたものであること。もしすぐに持ってこられない場合は、冷蔵庫に保管してほしい、という説明を受けていました。
また猫の体重も教えてほしいということだったので、猫の体重も事前に測っておきました(参照)。
そして、病院へ提出。私は翌日結果を聞きに行きましたが、待っていればその場で結果を聞かせてもらえるそうです。
尿検査の結果は?
もともと病弱なモモの検査結果を聞くのはドキドキでした。重い病気が見つかりませんように……。でも、早めに見つかるに越したことはない、と。
結果は、腎臓病や糖尿病などはなさそうでしたが、膀胱炎の疑いがあるため、尿検査以外の検査も必要、とのことでした。
ただし、尿の比重がしっかりしている、尿たんぱくが出ていない、などのことから、腎臓の異常はなく、糖尿病の心配もないようでホッとしました。
一方、尿の酸性度は高めで、異常を示す上限ぎりぎり。酸化の原因が何か、猫の全身状態を調べる必要があるとのことでした。
診断名は、「ストルバイト結晶尿」。ストルバイトとは、リン酸アンモニウムマグネシウムのことだそうです。
結晶尿が見られ、その結晶が結石に進む可能性も否定できないということです。さらにその結晶が、膀胱のものか、腎臓のものかは、尿検査では分からないそうです。その原因が何なのか、モモの全身状態を調べる必要が出てきました。
心配になって、先生に確認しました。
「すぐに体がどうこうなる可能性はないんですよね!?」
「いやー、ないとは思うけど、はっきりとは言い切れないんですよね……」と曖昧な答え。
「ないとは思う」を信じて、2日後に、モモも病院へ連れて行きました。
1時間半の検査
病院ではレントゲンやエコー検査を行うことになりました。
その現場には立ち会わせてもらえず、1時間半くらい待合室で過ごすことに……。そんな長時間、モモ、大丈夫かい?
ようやく診察室に呼ばれ、検査結果を聞きました。エコーやレントゲンで、以下の点が分かりました。
(1)膀胱炎である。理由は、膀胱に光の点が沢山あり、尿に細菌がでていたこと。腎臓と尿管はきれいだったので、結石ではなく、菌が固まったものである可能性が高いため。
(2)結石の可能性も全否定できないものの、結石の場合は、腎臓や尿管に結石予備軍があるはずだが、それがなかった。
(3)レントゲンによると、腎臓が小さめだった。腎臓は、数値が悪くなると小さくなるが、数値は悪くなかったので、様子見で大丈夫。
尿検査、レントゲン、エコーなど総合的に見て、モモは膀胱炎だと診断されました。尿検査をしなければ、分からないまま治っていたのか、悪化していたのかは分かりません。
モモには抗生物質を注射して、膀胱壁の膜を強くするサプリを飲ませることになりました。
愛猫と末永く暮らすために
今回、モモの場合は“結晶”で、結石は見つかりませんでしたが、先生がおっしゃるには、尿結石の原因の多くは食事なのだそうです。しかし、何を食べても結石ができない猫もいるし、逆にできやすい猫の場合は、食事のみでコントロールすることは非常に難しいといいます。ただ、食事を変えたらよくなる場合もあるので、有効な方法ではあるようです。
モモの尿検査をしてよかった。その後、1カ月ほどで膀胱炎は治りました。早めに異常が見つかったのはもちろん、いろいろな気づきがありました。
猫には腎臓など泌尿器系の病気が多いもの。高齢に差しかかった猫には、ぜひ一度、尿の状態をチェックすることをお勧めしたいです。猫を病院に連れて行かなくても、まずはオシッコを持参するだけで手軽に検査を受けることができます。
(ヤスダユキ)
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