夢で会った三毛猫 先住猫らに調和をもたらし、一家をハッピーに
「三毛猫を飼う夢を見たの!」
そう姉に話すと、任せてと言わんばかりに、すぐに保護猫の情報が妹のもとに送られてきました。段ボールに入れられ遺棄されたという、3兄妹のなかにいた三毛猫を見て“ズキューン!”。
「夢で出会ったのはあなただったのね?」。家族はその三毛猫、「ココ」を迎え入れ、夢は正夢になりました。
茨城県つくば市に暮らす寺西家にうかがうと、キジ白猫の「スズ」(3歳・メス)が玄関先で出迎えてくれました。いらっしゃーい!とばかりにしっぽをピーンと立て、私の足元にすり寄って来ます。なるほど、「お出迎え隊長」と言われるだけのことはある。スズの熱烈歓迎を受けた私は気分良く、家の中へ。
寺西家に最初の猫、スズがやって来たのは3年前のこと。奥様の知美さん(36歳)が大の猫好きで、犬の生活しか知らないご主人に「新しい景色を見せたくて!」と力説し、約15年ぶりの猫生活を再開させました。
知美さんがまだ実家に住んでいたころは、飼い猫でも外を自由に行き来する時代で、家に帰ると、たまに知らない猫がいることも。「猫は拾うか、もらうもの」と考える母親のもとで育った知美さんの関心が譲渡サイトへ向かったのは自然な流れで、ご主人も保護猫を迎えることに大賛成でした。
譲渡サイトで出会って、知美さんが一目惚れしたのがスズでした。なぜ「キジ白」柄のメス猫を選んだかというと、実家では飼ったことがない柄で、さらに気性が激しいイメージのオス猫よりも、性格が読めるメス猫を希望していたから。
しかし、生後3〜4カ月の子猫は男女問わず、暴れる暴れる(笑)。カーテンレールからエアコンの上部に入り込むヤンチャぶりを披露し、ご主人や子どもたちは猫の身体能力にびっくり。
一方、知美さんは「そうだったそうだった」と、ご無沙汰だった愉快な猫生活を思い出し、それで拍車がかかったのか、3カ月後には2匹目を迎えることに。東京で猫カフェを運営する姉から「猫は1匹よりも2匹がいいよ」との助言と保護猫の橋渡しがあり、茶トラ白の「トロ」(3歳・オス)が寺西家に加わりました。
家族の期待とは裏腹に、腹を立てた先輩猫スズはトロを追っかけ回し、縄張りを死守しようとしました。ところが半年もすると、トロの体格がスズを上回り形勢が逆転! スズはトロを受け入れ、友好の証にグルーミングをしようとするも、近づこうものならトロに怒られる日々……。
「特別仲が悪いというわけでもない」のに、何かしっくりこないと知美さんは感じていたのか、ちょうどその時期に、冒頭の「三毛猫を飼う夢」を見たのです。
三毛猫ココ(11カ月・メス)を迎えて、現3匹体制になった寺西家。2匹のときよりも視界が賑やかになり、以前とは違った景色を楽しんでいます。
猫たちの変化と言えば、トロとココが仲良くなり、スズは単独で過ごすように。知美さん曰く、スズは他の猫たちに少し遠慮しているようで、2匹が遊び疲れた後に遊び出す姿が、取材当日も見られました。
また、他の猫の前では人間に甘えることもできないスズだけ、夫婦の寝室の出入りを特別に許可されているとか。夜、家族が寝る準備を始めるとタターっと寝室へ走っていき、知美さんの腕に抱かれてにゃーんと声を出して、目いっぱい甘えるのだそうです。
3匹いるから、よくわかる。性格が違う、それぞれの猫に合わせた付き合い方を考え、ようやくしっくりくる猫生活が送れるようになったそう。
人間の子育てで大変なときも癒し癒され、猫とはウィンウィンの関係に。「ああ、きっと母親もこうだったんだな」と、猫好きな親に改めて感謝する知美さんなのでした。
- 撮影テクニックの説明
- テクニック1 【庭先から写真を撮る】
鳥のさえずり、風の匂い、猫は外の世界に興味津々。目線をもらうために猫じゃらしも用意しよう。
テクニック2【ハプニングを待つ】
子どもと猫の共通点は“言うことを聞かない”点。お題を与えてその時をジッと待つ。子どもと猫の相性は抜群に良い。
テクニック3【対比】
スズの必死さと長男の関心のなさがなんとも愉快な一枚。
- トロの橋渡し:みなとねこ-東京都港区の主婦らによる地域猫ボランティア
ココの橋渡し:特定非営利活動法人ねこの家
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