愛猫が突然死 台湾から来た学生、3匹の子猫を引き取る

 台湾から憧れのニッポンへ! 愛猫と一緒にやってきた呉かおるさん(29歳・東京都在住)。かおるさん曰く、日本はどこに行っても街が綺麗で、目に映る景色すべてが楽しく毎日が旅行気分なんだとか。都内の大学院で歯科を学ぶプレッシャーも住み心地の良さでカバー! そんな日本の生活を満喫している最中、愛猫の「もち」(スコティッシュフォールド)が突然死というアクシデントに……。

(末尾に写真特集があります)

 それはあまりにも突然のことでした。ルームメートからの緊急の連絡を受け、動物病院へ駆け込むも、翌日には帰らぬ猫に……。スコティッシュフォールドに多い疾患、心臓に問題があったようです。「もち」享年3歳、その死はあまりにも早い。

 「もち」がいなくなった部屋は風通しがよく、冷たさを感じていました。あまりにも辛い日々から、気づけば譲渡募集サイトで「保護猫」を検索するようになっていました。かおるさんは元々、猫と暮らすのは日本に来てから、それも保護猫を相棒にと考えていました。しかし、台湾でふと立ち寄ったペットショップで「もち」と出会ってしまえば仕方がなかったと(ええ、わかりますとも。私もスコティッシュのあの可愛さに魅了された一人です)。それは「運命的で衝動的」でどうしようも抑えられなかった感情とかおるさんは冷静に振り返ります。「猫はブームで買うものじゃないですね」と猫が持つ先天性疾患を知らずに流行りに乗ったことへの後悔がよりいっそう保護猫へ意識が向くことになったのでしょう。

安定感のある背中だ。(テクニック1)
安定感のある背中だ。(テクニック1)

 ネットの譲渡募集サイトで気になった子猫に申し込み、東京や埼玉で開催される保護団体の譲渡会にも足を運びました。しかし、「一人暮らし」「外国人」ということで断られるケースもしばしば。「無理なのかなぁ」と諦めかけたその時、インスタグラムで相互フォローの方から「是非!」にと新しい飼い主に選ばれた時の喜びといったらそれはもう格別でした。保護主さんが熊本県在住という遠距離もかおるさんにとっては関係ありません。すぐに現地へ赴き、新幹線で子猫を連れて帰ってくるのです。それが白黒猫の「ロロ(ろろ)」(2歳・オス)です。食べることが大好き! そのボディを見てすぐにわかりましたよ。ちなみに「ロロ」は中国語でお肉の発音なんだとか。

 やはり猫との生活はいいものです。かおるさんがホームシックにならなかったのはやはり猫の存在が大きかったようです。ロロが生活に慣れた頃、「2匹までは飼えるかなぁ」と多頭飼育まで考える余裕ができ、再びPCの前に。「一人暮らしOK」のキーワードを頼りに密かに憧れだった茶色の猫を見つけるのでした。応募してみると保護主さんの意向は「兄妹2匹一緒」でという条件つきでしたが、どちらも茶白の兄妹猫で1匹を選ぶことが困難だったかおるさんにとってはむしろ好都合!? だったのではないのでしょうか。

かおるさんと遊ぶタピオ。
かおるさんと遊ぶタピオ。

 面接を終えて、昨年の9月に子猫たちのトライアルが始まりました。1ヶ月間は完全にロロとは隔離して部屋を行ったりきたりの生活です。男の子は「タピオ」、女の子は「たまこ」と命名、これまたかおるさんの好きな食べ物シリーズでまとめました。

この日、一番緊張していた「たまこ」。凛々しい。(テクニック2)
この日、一番緊張していた「たまこ」。凛々しい。(テクニック2)

 いよいよ、ロロとのご対面、飼い主緊張の一瞬です。女子のたまこはロロの大きな体をみるや「カッコいい!」と目がハートのまま飛び込んで行くのですが、見事なまでにかわされるのでした。子猫たちは先輩猫ロロに興味津々でした。正式に譲渡が決定して我が家の猫! になってもかおるさんに対しての恐怖心は多少なりともあるようで、たまこに関しては触れないほどでした。そんな環境の潤滑油になったのがロロでした。子猫たちはロロを頼りに(ロロは「なんだこいつら?」と塩対応でしたが)、ロロの真似をして、ここでの生活に順応していくのです。先輩猫の生活指導の甲斐あって粗相やイタズラもありませんでした。ソファ以外は(笑)。

集合写真が撮れない!猫たちはいつも自由だ。(テクニック3)
集合写真が撮れない!猫たちはいつも自由だ。(テクニック3)

 今、ロロを中心にかおるさんたちの生活はうまく回っているようです。3匹が一緒に遊んでいる光景を見て、「ここに来てよかったね」とかおるさん。自身の人生と重ね合わせ、幸せをかみしめているようでした。

撮影テクニックの説明
テクニック1
正面も背後も全部写真に収めたい。猫の柄模様はアートだと思う。
しかし、ロロのぽっちゃり体型が際立つ写真になったなぁ。

テクニック2
小窓があれば背景に活用したい。コントラストがつき、メリハリのある写真に。

テクニック3
晴れていれば、部屋の電気を消して撮影する。明るいところから暗いところまでのグラデーションが好きだからだ。蛍光灯+自然光などのミックス光はどちらの色味に合わせるのか後処理(レタッチ)が大変なのである。

ロロの保護主さんのInstagram:@haollin
タピオとたまこの保護主さんのInstagram:@kijitora22

ケニア・ドイ
写真家。人物、商品撮影を得意としながら、犬猫カメラマンとしても活躍。雑誌「ねこのきもち」「いぬのきもち」掲載多数。長寿猫をテーマにしたフェリシモ猫部「猫又トリップ」の連載は100回を超える。著書に「ぽちゃ猫ワンダー」「ご長寿猫がくれた、しあわせな日々」。現在、黒を背景にしたペット撮影会「ドイブラック」(Instagram:@doi_black)で全国行脚中。

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この特集について
ツンデレラたちの撮りセツ
美しい猫の写真で知られる写真家ケニア・ドイさんが保護猫たちを取材します。ストーリーに加え、猫写真の撮影テクニックも解説します。
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