猫がそばにいるだけで癒やされて けがで療養、動物の力を再認識
モデルとして活躍する松島花さんは、3匹の猫と暮らしながら、犬や猫を助ける活動にも取り組んできました。連載11回目は、動物たちの持つ癒やしの力について語ります。
まだまだ蒸し暑い日も多いですが…夕方などは散歩していると、ふと秋の気配を感じます。
実は、私。
先月の8月16日に自宅マンションの階段から転倒し、あごの骨を2カ所骨折し、生まれて初めて救急車に乗るという経験をしました。
幸い、入院するには至らなかったため、自宅で療養することになった今回のけが。
最初の5日間は自分で寝起きすることも出来ずベッドで過ごすのみでしたが、普段、仕事が忙しい時など、私と過ごす時間が少なく寂しい思いをさせている“ごろりん・ゴメズ・フェスター”とずっと一緒にいられる毎日を過ごしています。こんなに一日中一緒にいられる日々は、なかなかありません。
なでているだけで癒やされて
抱っこすることもできずに寝ている私のところに、みんな入れ代わり立ち代わり甘えに来てくれます。
私の側でじーっとしている、ごろりん。
そのごろりんにくっついて、のどをゴロゴロ鳴らしているゴメズ。
私の痛みにはお構いなしで、体に乗ってきて甘えようとするフェスター。
みんな、それぞれの甘え方で、すごく可愛いです。
そんな猫たちをなでていることしかできませんでしたが、それでも心が…気持ちが…どんどん癒やされていくのがわかりました。
特に今回のけがは、あごの骨折だったので、あごを固定するため上下の歯をワイヤーでしっかり留めてあり、口を開けられない日々が私の心を暗くしました。そんな精神状態にも耐えられたのは、終始そばに猫たちがいたから…というのは大きかったと思います。
精神的に不安定な時や病気の時、動物たちの力は偉大だなぁ〜と改めて思いました。
そこで最近よく耳にする“セラピードッグ”“セラピーキャット”について少しお話ししたいと思います。
いるだけで癒やされる存在
私は猫を3匹飼っているので、猫のお話から。
猫がゴロゴロとのどを鳴らす音は、元々は母猫が生後間もない子猫に自分の存在を知らせたり、子猫が母猫にお乳を飲めていることを伝えたりするために鳴らすそうですが、そのゴロゴロという音の低周波の振動が人間の副交感神経を高め、リラックスさせてくれるのだそうです。
「どうりで!!!」
本当にこの猫がのどを鳴らすゴロゴロは、気分が落ち着くなぁ〜といつも思っていました。
そして、セラピーキャットについてですが…猫の癒やしの力について書かれた眞並恭介さんの著書「すべての猫はセラピスト 猫はなぜ人を癒やせるのか」の中で、セラピーキャットの「ヒメ」が紹介されていました。ヒメが病院や施設を訪れると、認知症や精神疾患を抱える方たちがヒメの名前を呼んだり、笑顔になったりするそうです。
猫は犬と違い飼い主の言うことなんて絶対に聞かないし、猫を調教することもできないしトレーニングなんて全く無理な動物です。
なのに、猫といると安らぎを感じるのはなぜでしょう?
それは私が猫の最も好きなところでもあるのですが…
猫は、何もできない!
猫は、何も役に立たない!
ただそこにいるだけで癒やされる存在!
それこそが私が猫の1番好きなところなのです。
次にセラピードッグは…というと。
私がテレビでみて知っているのは、セラピードッグ第一号に任命された“チロリ”というワンちゃんです。
セラピードッグも活躍
人から虐待され、保健所に収容され、殺処分寸前だった子を引き出し、そのチロリの愛情深さに気づき、セラピー犬としての高い素質を発見して育てあげられた方のお話でした。
そこには、チロリの人への忠誠心と深い愛情で、高齢者をはじめ障害を持つ方や病気の方の身体、精神の機能回復を補助する姿がありました。
セラピードッグとして活躍するチロリに寄り添われた方たちが記憶を取り戻したり、動かなかった手足が動くようになる効果があったことも知りました。
そこにはまた、猫と違った犬ならではのトレーニング効果や人に対しての忠誠心があるのだろうと思います。
動物のため、出来ることを始めよう
もちろん人には犬や猫が両方好きな方もいますが「猫は苦手」「犬は苦手」と言う方もいます。
その方たちは、自分の好きな動物で良いと思います。特にセラピーキャットやセラピードッグといった訓練された子ではなくても、いつもそばに動物がいるだけで、言葉は話せなくても、こちらから一方的に話しかけるだけでも、人は癒やされるのだと言うことを動物があまり好きじゃない人にも知っていただけたらと思います。
人間は時折、動物を裏切ります。
飼い主によって、犬や猫が突然保健所に持ち込まれる“飼い主持ち込み”が後を絶ちませんし、動物虐待のニュースもたえません。
でも動物は決して人を裏切りません。
今月の20日〜26日は、動物愛護週間となっています。
いま一度、自分に出来ることを始めませんか?
いま一度、自分が動物たちのためにできることを、どんな小さな事でもいいので見つけてほしいと思います。
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