猫にも歯周病 迷っている間に歯がグラグラ、麻酔して抜くことに

   猫も歳をとると、体にいろいろ変化がおきます。15歳半を過ぎた我が家のおばあちゃん猫「イヌオ」。動きが鈍くなったり、夜明けに何度も鳴いたり。ヒトでいう生活習慣病のような病気にもなります。最近気になるのはフードが食べにくそうなことと口の臭い。治療をするかどうか、獣医さんに相談し、そして決心しました。

(末尾に写真特集があります)

   少し前から、イヌオ(メス、15歳)の口の様子が気になっていました。あくびをするとかなり匂います。ごはんは(食べたのを忘れたのか)何度も催促するのに、食べ始めると、“あっ!”と驚いたような顔をして、途中でやめてしまう。食べたくてもあまり食べられない、という風で、だんだん食べる量も減ってきました。

   歯をみると動物の年齢がわかるそうです。猫は2歳齢で80%、7歳齢で100%に歯石が付き、年齢とともに歯周病を発症しやすくなるといわれます。

無事に麻酔から覚めたイヌオ、手前は抜いた奥歯。

   年末に動物病院で検査した時にも「まあこの年ですからねえ」と言われました。歯磨きシートやジェルなどで、しのごうとしたのですが、家ではなかなか口さえ開けてくれません。

   イヌオは5年前、10歳の時に、左の奥の歯茎に腫瘤ができて手術をしました。その少し前に糖尿病がわかり、糖尿コントロールは気にかけていましたが、歯については後回しになってしまいました。でも食べられないと、インシュリンも打てません。なにより食べたいのに食べにくい、という状態はかわいそうで改善してあげたいと思いました。

   先月、動物病院に「近頃すごく食べにくそうで」と相談にいくと、先生はイヌオの奥歯をみて、「重度の歯周病で歯がグラグラ、ここまで来ると抜かないと……」と神妙な顔をしました。

  悩んでいる間に悪化してしまったのです。

「痛いのなくなってよかったね」帰宅後に寄り添うはっぴー

 歯周病の治療は全身麻酔ですから、15歳半を超えたイヌオには負担がかかります。全身麻酔に耐えられる状態か、血液検査やエコーなどで検査をすることにしました。

 なにか少しでも問題があれば断念しようと思いましたが、(腎臓、肝臓、心臓、糖尿コントロールなども)結果はマル。いよいよ決めないとなりません。

「猫が19歳の時に重度の歯周病になった」という高齢猫と暮らす猫友がいました。処置に踏み切ると、その後は食べ出したとのこと。もちろん麻酔はリスクを伴います。悪いことを考えればきりがない。賭けのようでしたが、悪い奥歯を抜くことにしました。

 麻酔の前夜から絶食なので、イヌオは「おなかすいた~」と夜中にかなり鳴きましたがあげたい気持ちをぐっとこらえて、備えました。

 翌朝、病院へ。「じゃあね、あとで迎えにくるからね」。手術のため預けて帰ろうとすると、普段おとなしいイヌオが“置いていかないで~”というように絶叫し、涙が出そうになりました。

 帰り道、近くの多摩川に寄ると、よく晴れて、普段見えない遠くの山々の稜線がきれいに見えました。何か励まされたような思いでした。

 それでも預けている間は、ハラハラし通し、気が気でなくて、何も手につきません。そして夕方、「無事に終わって麻酔も覚めましたよ」と連絡がはいり、と胸をなで下ろしたのです。

オペ後はカロリー2倍のチュールで栄養をとりました

 一緒に帰宅すると、イヌオはまっ先にお皿に向かいました。よほどお腹がすいていたのでしょうか。抜いた後に少し違和感があるのか、口をもごもご動かしていました。

 栄養をつけて、じっくり体調を戻してほしいと願っています。

「イヌオちゃん、一緒にいようね、ずっとね」

藤村かおり
小説など創作活動を経て90年代からペットの取材を手がける。2011年~2017年「週刊朝日」記者。2017年から「sippo」ライター。猫歴約30年。今は16歳の黒猫イヌオと、2歳のキジ猫はっぴー(ふまたん)と暮らす。@megmilk8686

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この特集について
ねこ飼い日記
古い魚屋の天井が崩れ、落ちてきた子猫「はっぴー」。その成長と、引き取った筆者との生活ぶりを同時進行でつづっています。
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