神戸の中心街、バスの中で保護猫とふれ合える譲渡会

みんな晴れ舞台、どの猫もオシャレしています
みんな晴れ舞台、どの猫もオシャレしています

 神戸市の「ネスカフェ 三宮」で4月13日、移動式「ネコのバス」の中で、保護猫の譲渡会が開かれました。神戸の中心、駅からわずか徒歩3分の一等地での開催。この譲渡会について、ネスレ日本 ピュリナ ペットケアの野村裕彦さんに聞きました。

(末尾に写真特集があります)

移動式「ネコのバス」でふれ合える

――バスの譲渡会は、従来の譲渡会とはどう違うのでしょうか。

 ネスレ日本では、2018年4月からネコリパブリックと共同で、「ネコのバス」を使って保護猫の譲渡会を開催しています。いままでは、保護猫や保護犬が都心部まで出てくることがあまりなかったと思うのですが、「ネコのバス」は移動式なので、全国どこにでも出没可能。迎え入れ希望者の方に遠方まで足を運んでいただく必要がありません。

 いままでに神戸で6回(各回2日間)、大阪と名古屋で各2回(各回1日間)、延べ16日間譲渡会を開催しています。今後も神戸では2カ月に一度、定期開催する予定です。ネコリパブリックは全国6カ所で保護猫カフェを運営していて、各地の保護主さんと連携できるので、開催地の保護猫たちが譲渡会に参加しています。

ネコのバス
ネコのバス

明るく清潔な車内で、じっくり猫を選べる

――バスの中は、どんなふうになっているのですか。

 バスの中には、ケージの他、キャットウォークやキャットタワーが備え付けてあり、猫たちはケージで休んだり、車内で遊んだり、思い思いのスタイルでくつろいでいます。活発に動き回る猫もいれば、ケージの屋根の上でのんびり眠る猫もいて、猫の性格もよく分かるんですよ。猫のストレスにならないよう、人馴れしている猫が参加していて、1回あたりの対面時間は約20分にしています。

 一度に最高6人までバスの中に入ることができ、気になる猫がいれば、その場で触れ合えます。ネコリパブリックの担当者が保護された経緯や性格などを詳しく説明し、迎え入れ希望者の人と猫とのマッチングもします。見た目の好みもあると思いますが、相性も大事なんです。

――どんな人が参加できるのですか。

 迎え入れ希望者の人なら、どなたでもお気軽ご参加いただけます。ただ、「ネコのバス」の譲渡会は「家族を探す会」なので、単に猫と遊びたいという人には、利用を控えていただいています。

――どのような流れで譲渡されるのでしょうか。

 希望の猫が決まったら、保護主さんと面談。家族構成や住環境、年齢などの譲渡条件にマッチすれば、その後、双方合意のもとで一定期間のトライアル譲渡がスタートします。特に問題がなければ、その後譲渡されます。譲渡条件は、保護主さんによって違います。

新しい家族を探しに来た夫婦
新しい家族を探しに来た夫婦

譲渡会は家族を探す会

――譲渡会には何匹くらいの猫が参加しているのですか。

 今日は6匹の成猫が参加しているのですが、子猫が来ることもあり、毎回数は変わります。一番多い時は、2日間で21匹の猫が参加しました。

――いままでに何匹の猫が譲渡されたのでしょうか。

 昨年4月、6月、10月に三宮(神戸)で延べ6日間開催した譲渡会に参加した猫は全部で55匹、うち譲渡にいたった猫は16匹です。

――譲渡にいたらないことも結構あるんですね。

 参加している保護猫たちは保護主さんの手厚いケアを受けて過ごしています。しかし、保護されるまでの過程は様々で、中には多頭飼育崩壊や遺棄の現場からレスキューされた猫もいるため、保護主さんは「二度と悲しい思いをさせたくない」と強く願っています。

 そのため、譲渡条件に合う人にしか譲渡することはできません。たとえば、初回は16匹の猫が参加し、うち15匹の猫に引き合いがありました。しかし、トライアルまで進んだ猫は8匹、譲渡された猫は5匹です。「ネコのバス」の譲渡会は「家族を探す会」なので、譲渡数が多ければいいとは考えていません。

――行政や獣医師会とも協力されているのでしょうか。

 動物愛護法改正の効果もあり年々殺処分数が減っているとはいうものの、行政では人とペットとの共生社会をどのように実現していくべきか、悩んでいると聞いています。私たちが加入している「神戸市 人と猫との共生推進協議会」や名古屋市、大阪市とも協力して、ひとつひとつ問題を解決していきたいと考えています。

渡辺陽
大阪芸術大学文芸学科卒業。「難しいことを分かりやすく」伝える医療ライター。医学ジャーナリスト協会会員。朝日新聞社sippo、telling、文春オンライン、サライ.jp、神戸新聞デイリースポーツなどで執筆。FB:https://www.facebook.com/writer.youwatanabe
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