閉じ込められていた元保護犬JIRO 優しい甘えん坊の外弁慶に
パーソナルスタイリストとして活躍する大日方久美子さんが、元繁殖犬のキャンディ、元保護犬のJIROとヴィヴィアン、新たに加わったムーちゃんとの日々をつづります。
(末尾に写真特集があります)
こんにちは。大日方久美子です。
2015年に我が家に来たJIRO(じろう)。引き取った当時7〜8歳と言われていたので、今は11〜12歳の男の子で、キャンディに続いてうちに2番目に来た元保護犬です。4匹の中でも一番静かで、優しくて、穏やかなJIROについて、書いてみようと思います。
JIROとの出会いは、ある日、犬の保護活動をしている友人から写真付きで来た「シュナウザーが保護されているんだけど、誰か飼ってくれないかな?」というメールがきっかけ。それを見て「私が飼うから大丈夫!」って二つ返事で即決しました。
もともと動物愛護センターに収容されていたJIROを、動物保護団体が引き出し、東京の預かり宅にいました。聞いた話によるとJIROは、愛護センターに入る前にどうやら虐待されていたようです。
JIROが保護されたとき、じつはもう1匹一緒に保護された犬がいて、JIROはその子と2匹で飼われていました。飼い主は、家の前の通行人に向かって、犬にかみつきに行かせるという悪質行為をしていて、通報され発覚したんです。全くもって理解できないことです。
部屋を捜索したら、飼い主と凶暴になってしまった犬と、奥の方に閉じ込められていた犬がもう1匹いて。その閉じ込められていたのがJIROでした。臆測ですが、JIROは穏やかな性格だから、飼い主にそれを「やれ」と言われてもやれなかったから、閉じ込められ虐待されていたんじゃないかって。その名残なのかJIROはケージに入るのを嫌がります。
昔のJIROは、ごはんをもらえなかったのか、もらってもすぐに食べないといけない状況だったのかわからないけど、うちに来た当初、ごはんをひと口でいったん丸のみして、端っこへ行って吐いて、それを少しずつ食べていました。
いじわるされてそうなったのか……。必死だったんだよね。
その癖が出ちゃうのがかわいそうだから、JIROには今でも一度のごはんを3等分してあげています。今はもうもらえるのがわかっているから、JIROはちょこんとごはんの器の前に座って、私が「はい、どうぞ」ってちょっとあげて、食べたらまた「はい、どうぞ」という感じです。
うちにいる他の3匹にほえられると逃げちゃうような、全然主張をしないJIROですが、お散歩となると人(犬)が変わります。一番グイグイです。
全部の電柱におしっこしてやる〜って勢いで、3歩歩いたらクンクンクン、3歩歩いたらクンクンクン……って匂いを嗅いでいます。ドッグランでも他の犬たちと追いかけっこをして遊んだり。一番若いムーちゃんなんて、ドッグランでは微動だにしないのに、JIROは典型的な外弁慶です。
昨年、JIROが突然倒れたことがありました。シュナウザーには多いそうですね、癲癇(てんかん)になってしまったんです。
その日は朝方に一度吐いたので夜間の救急病院へ。その時は原因がわからなかったんですが、落ち着いたので家に戻り様子を見ていました。午前中ずっと一緒にいたんですが、JIROが急によたよたっと歩き出したと思ったら、パタンと倒れて。けいれんを起こしておしっこをブワーッとして。
ビックリしました。すぐにかかりつけの病院へ連れて行き、検査を。でも脳にもどこにも異常はなし。そして今、あれから1年経ちましたが、けいれんを起こしたのはその1回のみでした。
何年も前からJIROの心臓は肥大していると言われていて、薬は飲ませているんですが、それ以外は健康で調子が悪いところがなかったので、本当に心配で仕方ありません。
JIROはしずか〜に主張してきます。3匹がワンワン言っているときは静かにしていて、みんなが落ち着くと、ようやくJIROの順番。無言で私のところにすっと近寄り「なでて」と。JIROは触られるのが本当大好き。
甘えん坊で、優しくて、優しくて。男なのに他の犬に「うー」ってほえられても喧嘩なんてしないし、私と彼に抱っこされて、なでられてたら、「もうそれだけでいいんです」っていうタイプなんです。
11歳〜12歳で一緒にいられる時間が限られているから、なるべくJIROとの時間を優先しちゃいます。
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