空き家の中で産まれた子猫 新しい家で相棒猫に出会う

ハンサムなレオ
ハンサムなレオ

 放置された空き家に野良猫が居着くことがある。そんな猫が子猫を産み、たまたま掃除に訪れた家主に保護された。そのうち1匹の子猫は、保護団体を経て、猫好きな家に2匹目として迎えられた。

(末尾に写真特集があります)

 大阪府内にある空き家。1年ぶりに家主が掃除や空気の入れ替えに訪れたという。すると、家の中に母猫と4匹の子猫たちがいた。全頭捕獲したものの、自宅ではすでに猫を多頭飼育していて、これ以上飼える状況ではなかった。

 家主は母猫の避妊手術をして、生後間もない4匹の子猫は譲渡先を探した。1匹は行き先が決まったものの、残り3匹は決まらない。そこで、保護団体「ワンハート大阪」に引き取りを依頼したのだという。

 引き取られた時、子猫たちは生後2カ月ほどだった。譲渡サイトを通じて、子猫たちの譲渡先の募集が始まった。

ママはコスプレ好きなんだけど…
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ネットで見つけた子猫に一目ぼれ

 その頃、京都府内に住む新谷さんは、2匹目の猫を探していた。

「だんだん仕事が忙しくなってきて、先住猫の遊び相手をしてくれる猫を探していたんです」

 インターネットを検索し、表示された譲渡サイトで紹介されていた、キジトラのオスの子猫に目がとまった。

「昔、実家にいる時に、父がよく猫を拾ったりもらったりして、いろいろな猫を飼っていました。その子猫を見て、猫といえばこの柄! 好みの子だと思いました」

 ワンハート大阪に連絡して、1週間のトライアルに入った。その間は、7歳のメスの先住猫と、新入りの子猫の相性が心配で、仕事を休んで様子を見ていたという。

家にやって来た頃
家にやって来た頃

先住猫との相性を確認

 最初は子猫をひとつの部屋に入れて隔離。2匹の様子を見守れる時、短時間ずつ徐々に近づけていった。最初は互いにシャーッと威嚇し合っていたが、2、3日で収まった。時々ケンカもしたが、こたつで一緒に寝ることもあり、距離を保ちつつ仲良くなっていった。

「先住のカリンは“かまって、かまって”と言われると嫌がっていましたが、子猫はフレンドリーで、“人も猫もみんな大好き!”という感じでした。留守中は心配でしたが、ケガをするようなことはなく、追いかけっこをして遊ぶこともあり、これならやっていけそうだと思い、正式に譲渡してもらいました」

 2015年秋のことだった。子猫は「レオ」と名付けられた。仕事から帰ってくると、2匹一緒にベッドで眠っていることもあり、新谷さんは多頭飼いにして良かったと思っている。

ワンハート大阪
家族の一員として大切にされる存在な一方、営利目的で産み落とされ、身勝手な飼主の都合で捨てられる犬や猫。行政の処分所へ持ち込まれ、死を待つことしか与えられず、虐待されても物言えぬ彼ら。
この悪循環を作り出しているのも人間ですが、その悪循環にストップをかけられるのも人間です。ワンハート大阪は、一匹でも多くの命を守り、その命が尽きる最期に「ありがとう」を伝え、あの子達に「ありがとう」と言ってもらえる活動を目指しています。
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渡辺陽
大阪芸術大学文芸学科卒業。「難しいことを分かりやすく」伝える医療ライター。医学ジャーナリスト協会会員。朝日新聞社sippo、telling、文春オンライン、サライ.jp、神戸新聞デイリースポーツなどで執筆。FB:https://www.facebook.com/writer.youwatanabe

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この連載について
幸せになった保護犬、保護猫
愛護団体などに保護された飼い主のいない犬や猫たち。出会いに恵まれ、今では幸せに暮らす元保護犬や元保護猫を取材しました。
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