飼い主の気を引こうと、あれこれ 猫のぐっぴーが多義語を解説
ぽっちゃり猫の「ぐっぴー」が身体を張って、ちょっと使い方の難しい言葉をゆる~く、おもしろく解説する「ぐ辞苑(ぐじえん)」。一つの単語でたくさん意味がある「多義語」。わかっているつもりでも、使う場面や使い方に迷うことがよくあります。そんな「多義語」の用例を「ぐっぴー」が写真入りで説明します。
第8回は「ひく(引く)」です。
(多義語の意味は、岩波書店『広辞苑(第七版)』によるものです)
意味その1:手前の方へたぐって近づける。
用例「寝ながらおもちゃを引き寄せ食らう。」
【解説】 「猫がおもちゃで遊ぶ姿」とわれたら、多くの人は、おもちゃを追いかけて走ったり、跳んだりする猫の姿を想像するかもしれない。
しかし、ぐっぴーは違う。
ぐっぴーは、最も楽な姿勢で、尻の位置を変えず、おもちゃを引き寄せて手の届く範囲で遊ぶのだ。
しかも、そのおもちゃを食らおうとまでする本能のままの姿は、ある意味で賞賛に値する。
なお、たまに動くとこんな感じになる。
強制的に体を動かされることで、絶望している表情と推測される。
意味その2:心をこちらに向けさせる。関心を呼ぶ。気を持たせる。さそう。
用例「あらゆる手を使って飼い主の気を引き、外出を阻止しようとする。」
【解説】 ぐっぴーは猫一倍、寂しがりやだ。
飼い主が仕事に出かけようとすると、あれやこれやあらゆる手をつかって外出を阻止しようと試みる。
玄関で邪魔してみたり……
腕にしがみついたり……
靴を隠してみたり……
「ここでう〇ちするぞ」とおどしてみたり……
そのバリエーションは様々であるが、実際、飼い主の気を引き、思いとどまらせたことはない。
意味その3:多くの中から選び出す。
用例「来年のおみくじをもう引く。」
【解説】 2018年は戌年だったから、来たる2019年は猫年に違いないと確信しているぐっぴーは、気持ちが先走り、もう2019年のくじを引くようだ。
お手製のおみくじの前で緊張の面持ちの姿がこちらである。
さて、結果はどうだったのであろうか。
微妙すぎて言葉が出ない。
来年は猫年ではないので当然の結果といえよう。
意味その4:調べに用いる。参照する。
用例「勉強のため、『ぐ辞苑』を引く。」
【解説】 ぐっぴーは最近、人間語、主に日本語を勉強中だ。
そんなぐっぴーは今、「多義語」の難しさに頭を悩ませている。猫語には、一つの単語に紐づく意味は一つしかないのに、日本語は一つの言葉に複数の意味があって、使い分けねばならないことが、猫にとっては非常に難解なんだそうだ。
そこで、ぐっぴーは「ぐ辞苑」を使い始めたのだ。
理解が難しい多義語があれば、都度、「ぐ辞苑」を引くようにしている。
ぐっぴーが日本語ペラペラになる日も近い。
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