犬や猫のために寄付サイト設立 きっかけはトイプードルだった
初めまして。この度「犬や猫のために出来ること」というテーマで連載を開始させていただく、公益社団法人「アニマル・ドネーション」の代表理事・西平衣里と申します。
連載初回ということで、筆者の自己紹介を。
新卒で入社したリクルートで雑誌の出版に身を置くこと約15年、締め切りの後は飲み歩く、という生活でした。結婚をきっかけに美容室の経営者になり、少し時間の余裕ができた頃、子供の頃からいつも側にいた猫と暮らそうと考えました。しかし、主人はわたしの実家に泊まると、背中にミミズ腫れができ、顔色がみるみる真っ赤になるほどの猫アレルギー。なので、毛の抜けないトイプードル、を迎えることにしました。
愛犬との出会い
その頃は動物福祉なんて言葉は知りませんでした。
ですが、狭いケージからこちらを見つめる犬猫の目に耐えられない気持ちになるので、ペットショップには入れず、TVで知ったブリーダーさんのもとに何度も通って、待つこと半年(私たちの人となりを見ていた?)。コロコロ走りまわるトイプードルを迎えました。
ブリーダーさんは「ブリーディングによって性格もある程度わかるから希望を聞かせて」とのことで、犬とどのような暮らしをしたいかを質問してくださいました。アクティブに一緒に旅行などしたい、できれば明るい性格の男の子と伝えたら、まさにその通りの「トゥルー」が私たちの愛犬になってくれました。
ブリーダーさんのところから、本当の親と離れ、私たちの家に連れて帰る車の中。「どんな気持ちかな」とクレートをのぞき込んだら、可愛い4本足でしっかりと立ち、前を見据えていた凜々しい姿は今でも目に焼き付いています。
そう、この子と暮らさなければ、寄付サイトを立ち上げることもなかったし、ここで連載を書くこともなかったでしょう。
人生って面白いものです!まさにワンダフル!
私は犬育てに没頭しました。ブリーダーさんには「あなた無理しすぎ、育児ノイローゼ」と言われ、数日犬を預かると言われたこともあります。トゥルーはお腹の弱い子で、血便や粘膜弁などが続いたのです。獣医ジプシーとなり、ドッグフードオタクとなり、、暮らし始めて1年間は迷いに迷い、犬という命を育てる難しさを知りました。
知ってしまった現実
そして、ネットやいろんな本を読み漁る中で、ぼんやりとしか知らなかった保護犬や保護猫の存在を知ることになったのです。ペット流通の問題、動物に対しての民度の低さ、殺処分問題などなど。
知ってしまった以上はなんとかせねば、何かに突き動かされるように動き始めました。ネットや本だけではわかりません。問題は現場を知らねばわからないだろう、といろいろな業界関係者に話を聞きに行きました。保護活動だけではなく、ペットショップやトリミングサロン、ドッグフードのメーカーさん、補助犬団体、そうそうこのsippoでも記事を書いておられる朝日新聞の太田記者にも話を聞きました。
殺処分数の多さ(そのころ2010年時点では年間28万頭)に衝撃を受けながら、同じくらい衝撃的だったのが、一方で命を救おうとレスキュー活動をする方がとても多くいること、でした。
こんなに頑張っている方のために何ができるか。私が出した答えは寄付サイトでした。自分でレスキューをすることはできないが、私のような考えを持つ人はきっといる、どこに寄付をしていいかわからない、ならば、そのマッチングができるサイトを作ろうと!
この連載では、がんばる方々を紹介しながら、一般の方にはまだまだ馴染みが薄い保護活動を筆者のレポートを通じて知ってもらえたら、と思っています。
我が愛犬、13歳になるトゥルーもたまに登場させてもいいでしょうか。犬の精神性の高さに学びの日々。今の私があるのはトゥルーのおかげ。彼への感謝とリスペクトを込めて、この連載を続けてみたいと思います。
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