「気持ちが安らぐことが大事」 人気のペット用仏具は?
今年は9月20日(水)~26日(火)が秋のお彼岸。この機会に、永眠した愛犬や愛猫に想いを伝えたいという人も少なくないだろう。お彼岸に限らず、日ごろから、愛していたペットの“供養”には、何をすれば良いのか。ペットメモリアル専門店「DEAR PET(ディアペット)」の店舗運営責任者で、ペットロス経験者でもある関口真季子さんに話を聞いた。
(末尾に写真特集があります)
■ペットの供養、仏壇や仏具は必要?
ディアペットは、1000種類以上のペット専用の仏壇・仏具のネット販売を行っている。全国に4店舗(東京・青山、大阪、名古屋、さいたま)ある実店舗には、ペットロスの経験があるスタッフばかりが在籍している。
関口さんは、仏教的な“供養”という意味では、仏具を用意したほうが良いが、仏具を見ると悲しくなるという場合もあり、「必ずしも必要ではない」という。
「供養はお気持ちなので、写真をかざり、いつも食べていたごはんとお水を供えて、写真に話しかけるだけでも充分、供養になります。飼い主様のお気持ちが安らぐことが、一番大事かと思います」
■人気のある仏具は?
ペットをなくし、すぐに何かを用意する気持ちになれなくても、死後しばらく経ってから仏具を購入する人も少なくないという。ディアペットで人気の商品について聞いた。
(1) 仏具セット
「最初は仏具セットを購入される方が多いです。ごはんとお水、お花、お線香を供えて、もし買えれば“おりん”もあると良いです。お線香を手向けていただいて、おりんをチーンと鳴らせて手を合わせる。この一連の動作が供養になるかと思います」
ディアペットで最も人気のある商品は、足あとマークの付いた仏具セットだ。人間用の仏具を小さくしただけでなく、水入れはペット用の皿に似せた形だったり、足あとマークがあしらわれていたり、明るい色付けがされている。
お線香を横に置き、ふたを閉めて使うことができるので、他のペットがいても安心だ。九谷焼や有田焼など、職人の手で作られた高級志向の仏具もある。
(2)写真入り位牌
種類豊富な位牌は、お客さんの要望から作られたという。気に入ったデザインを選び、ペットの写真を送れば、社内専属のデザイナーが写真の加工をして、写真付きの位牌を作ってくれる。
「頭をなでるようにお位牌に話しかけることもできるので、気持ちも安らぐと思います」
特に人気のデザインは、虹の模様。“亡くなったペットの魂が、虹の橋のたもとで飼い主を待っている”とうたわれた作者不明の散文詩「虹の橋」にちなんでいる。
(3)遺骨を納めることができるジュエリー、キーホルダー、カプセル類
常に身に着けることができる、遺骨を納めるジュエリーやカプセルを求める人も多い。パールなどの高級ジュエリータイプから、手軽に購入できるキーホルダータイプまで種類は豊富だ。
(4)仏壇
ペットの場合、埋葬せず、お骨を自宅に置いておく人も多いため、お骨を入れることができる仏壇も人気商品のひとつだという。特に、骨壺がぴったり収まるタイプの小さめの仏壇が人気だ。多頭飼いの人のために、代々のペットの骨壺が収まる大型の仏壇も用意されている。
■お彼岸には何をする?
お彼岸用の商品はないが、お供え物にそっくりなキャンドルが人気だという。焼き芋やお団子、スイーツをかたどったキャンドルは、食べ物の香りがして、雑貨としてもかわいらしい。
関口さん自身も、お彼岸には食べ物をお供えしているという。供えた後は、今いる元気なペットたちに食べてもらっているそうだ。
「仏具を見て、悲しくなるのではなく、気持ちが安らぐものであってほしい」と関口さん。
ペットの“供養”というと仰々しいが、ペットに想いを伝えることで、安らかな気持ちになれるなら、仏壇や仏具の前で手を合わせることも、死別の悲しみを癒やすことにつながるだろう。
(安田有希子)
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