広さ? 日当たり? 環境は? ペットが喜ぶ賃貸選びのポイント

キャットウォークに寝そべる猫
キャットウォークに寝そべる猫

 ペットと暮らせる賃貸マンションやアパートはまだ数は少ないものの、増加する傾向にあるといいます。賃貸物件でも、大切なペットがストレスなく快適に暮らせる部屋を選びたいものです。では、犬や猫と暮らすためには、どんな点に注意して部屋を選べばよいでしょうか。


 ペットと暮らせる物件を専門に仲介するペット賃貸カンパニーの込山哲寛代表は、最も重要な要素は「広さ」だといいます。


「ペットは狭い場所にいるとストレスを感じやすいので、なるべく広さを重視して選んであげたいものです。築浅や駅近にこだわり過ぎると、どうしても狭くなってしまうので、ペットのためにはある程度こうした条件は妥協する必要があるでしょう」


 さらに、風通しがよく窓が大きい部屋がおすすめだそうです。


「犬も猫も室内にいるときは、窓ぎわなど外がよく見える場所を好みます。特に室内飼いの場合は、窓が大きく開放感がある部屋がいいでしょう」

 

ドアに設けられた出入り口(提供:ペット賃貸カンパニー)
ドアに設けられた出入り口(提供:ペット賃貸カンパニー)

猫は天井の高さ、犬は散歩しやすい環境

 さらに、猫の場合は、天井が高い部屋がおすすめだといいます。猫は高い場所を好むので、キャットタワーを置くなどすれば運動不足やストレス解消になります。ロフトがある物件であれば、ハシゴを上り下りして遊ぶこともできます。


 一方、犬の場合は、周辺が散歩のしやすい環境であるかをチェックする必要があります。狭い歩道しかないような道では車と接触する危険もあり、安心して散歩ができません。また、あまり人通りが多い道も散歩には適しません。こうした点からも、駅近の利便な場所は人にはよくても犬には不向きです。


 初めてペットを飼おうとする人は、収納スペースや家賃にも注意したいと込山さんは言います。


「ペットシーツやフード、トイレ砂などをストックするのに収納スペースが必要なので、収納は多いほど便利です。また、ペットにはそれなりにお金もかかるので、こうした費用を考えて家賃であまり背伸びをしないほうがいいでしょう」


 収納に関しては、部屋の外でまかなうのもおすすめだという。


「収納にこだわって1〜2万円も家賃が上がるようなら、近隣でレンタル倉庫を探してはどうでしょうか。地域にもよりますが、月額5000円程度で収納スペースをたっぷり確保することも可能です」

 

 

礼敷金を考慮し、家賃で背伸びは禁物

 また、引越しにかかる初期費用も、多めに見積もっておく必要があるといいます。ペットが住む部屋は傷みも激しく、退去後の現状回復にも費用がかかるため、ペットと同居する場合は入居時にかかる礼金敷金が1〜2か月分ほど上乗せされていることも多いそうです。家賃で背伸びは禁物です。


 ペット可、あるいはペット相談可という物件は、ペットを飼わない人も住んでいます。希望する物件にペットを飼っている人がどのぐらいいるのかも、チェックしておいたほうが良いでしょう。

森田悦子
フリーランス記者、ファイナンシャルプランナー。金沢大学法学部卒。地方新聞社会部記者、編集プロダクションを経て独立。得意テーマは経済、金融、投資、社会保障、ペットなど。「AERA」「週刊朝日」などで執筆中。どちらかというとネコ派。

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この連載について
ペットの住宅事情
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