「猫共生型」の分譲住宅 飼い主も猫もうれしいマイホームが誕生
「猫共生型分譲住宅」と銘打った分譲住宅が発売された。ストレスなく健康を保ちながら、飼い主と楽しくコミュニケーションできるための工夫が随所にちりばめられている。「猫も人間も快適に暮らすための分譲住宅は、おそらく日本で初めて」と発売元は話している。
この住宅を発売したのは、埼玉県の住宅メーカー「第一住宅」(鈴木智恵社長)。埼玉県川口市に猫共生型分譲住宅「ichineko」シリーズの第一弾となる分譲住宅を造った。
玄関先では、猫をかたどったシルエットライトがお出迎え。家のシンボル的な役割を果たす。玄関前のアプローチの床には、猫の足跡が。「コンクリートが乾く前に、猫が入って来ちゃった!」というハプニングがあったのかと驚くが、こちらも演出だ。
玄関と廊下の境には、格子デザインの脱走防止ドア。自動で鍵がかかるので、自分で引き戸を開けられる賢い猫でも安全だという。この鍵は、人なら持ち手を押すだけで簡単に解錠できるので、不便さはない。
脱走やキッチンへの侵入防止で安全を確保
居室のドアにはすべて猫が通れるようキャットドアが設置されている。キッチンのドアにだけはそれがない。しかも、キッチンとリビングの境となるカウンターにもガラス戸が張られている。猫と飼い主がお互いの様子を確認しながらも、キッチンに猫が入れないよう配慮されている。
「キッチンは猫の誤飲や誤食が起こりやすいうえ、誤って蛇口を押して水を出してしまったり、ガスの火をつけてしまう事故にもつながるので、入れないようにしてあります」(鈴木さん)
リビングには四方の壁にぐるりとキャットウォークを設置した。階段とステップを組み合わせて動きに変化をつけて適度な運動を促すほか、猫が眠ってしまっても転落しにくいよう傾斜とクッションがついたベッドも。ガラスのステップも複数設け、飼い主は下から愛猫のかわいらしい寝姿や肉球も楽しめる。
猫トイレ専用の換気扇も設置
猫砂やフードをストックする収納庫の下は、猫トイレ用の空間。そこにはなんと、猫トイレ用の換気扇も設置されている。その狙いについて、監修したネコアイ代表の建築士、清水満さんはこう話す。
「猫トイレを洗面所や人のトイレに置く飼い主が多いのですが、猫がトイレに行く頻度や滞在時間は健康のバロメーターなので、飼い主の目が届く場所に置いてほしい。リビングに置いてもニオイが気にならないよう、換気扇をつけました」
物件は最寄駅から徒歩23分と少々遠いが、日当たりがよく静かで、猫にとってはむしろ絶好の環境でもある。この住宅を企画した狙いについて、鈴木さんはこう説明する。
「猫と飼い主が快適で安全に暮らせる住まいを実現するには、ペット対応の賃貸住宅を探すか、住んでいる自宅をリフォームするか、あるいはペットとの暮らしに詳しい建築家に依頼して、一から設計してもらうしかなかったのですが、もっと多様な選択肢を提供したかった。分譲住宅はリスクを嫌う大手メーカーには参入しにくいのですが、中小ならではの機動力で飼い主のニーズにこたえていきたいと思っています」
鈴木さん自身も愛猫家で、自宅の猫対応リフォームを清水さんに依頼した縁で、今回の「猫共生型分譲住宅」の監修を依頼したという。第一住宅では、「ichineko」の第二弾も計画しているほか、リフォームや注文住宅の分野でも猫対応に力を入れていくという。
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