猫グッズ必要? モノ減らしサッと掃除 猫とスッキリ暮らす方法

 ペットがいると部屋をきれいに保てない、とあきらめてしまっていませんか。フォトスタイリストのヤノミサエさんは、4匹の猫と暮らしながらおしゃれなインテリアとピカピカの部屋を実現しています。猫との豊かな生活とスッキリした暮らしを両立するコツをヤノさんに聞きました。

フード用のお皿は陶磁器を活用
フード用のお皿は陶磁器を活用

――4匹の猫と暮らしながら、どうやってスッキリした部屋を保っていらっしゃるのですか。

 私自身、掃除や片付けが苦手だし、むしろ嫌いです。それでもわが家は猫が4匹もいるので、放っておくと散らかって汚れる一方。しかも、猫たちはテーブルや棚に上っては、置いてあるものを落としたり、かじったりもするので、イライラしてしまうことも。

 だったら、猫が来る場所やさわるようなところには何も置かなければいいのでは、と考えるようになりました。モノがなければ落とされないし、片付ける必要もありませんから。

 猫はよく嘔吐をしますが、モノを置いていなければ掃除は簡単で、サッと済ませられることがわかりました。掃除のために何も動かす必要がないので、見つけたら「すぐやってしまおう」と思えるようになるんです。

 掃除をラクにするために、引っ越しのたびにモノを減らしながら、猫がさわる場所や床などに置くものはなるべく減らしてきました。かといって、飾るものも何もないというのでは寂しいので、何か飾りたいときには壁にかけられるものを選んでいます。

 猫の足にホコリがついているのを見て、「掃除しなきゃ」と痛感したこともあります。もし猫を飼っていなければ、私はもっとズボラで、我が家はモノとホコリだらけかもしれません。だから私にとって猫は「掃除の神様」なんです。

家具を段差が付くように配置すれば猫が喜ぶキャットステップに
家具を段差が付くように配置すれば猫が喜ぶキャットステップに

人と共用できるモノを選ぶ

――ペットがいるとペット用品なども必要になりますし、モノを減らすのは難しい気もします。

 確かにそういう面はありますね。私も以前は、猫がいると猫のトイレやベッド、クッション、爪とぎなどの猫専用のグッズで部屋が占拠されてしまうように感じていました。

 でも、それって全部が絶対に必要なものでしょうか。私は、必ずしもそうではないと思っているんです。

 実はわが家には猫用のベッドがありません。必要なら買うつもりでいましたが、なくても案外平気だったんです。4匹の猫たちはソファーや私のベッドなど、それぞれお気に入りの場所をつくってくつろいだり眠ったりしています。

床掃除は朝起きたらすぐに
床掃除は朝起きたらすぐに

 クッションを入れた収納用カゴで寝るのがお気に入りの子もいますし、やわらかい場所はいくらでもあるのにダイニングテーブルで寝る子もいて、「ふかふかでなければならない」ということさえ思い込みだったのかと気づかされました。

 猫と人が共通で使えるものを選ぶのも、モノを増やし過ぎないコツです。

 たとえば、ウェットフードのパウチからフードをきれいに取り出すにはシリコンのスプーンがとても便利なのですが、これは普段の調理に使っているものです。食器や食器洗いのスポンジは分けていますが、猫が直接口をつけたりするものでなければほとんどのものを共用しています。

 猫用の消毒・消臭剤や体ふきも使いません。消毒・消臭剤は人用のアルコール除菌スプレーがあれば足りますし、アルコールの入っていないウェットティッシュがあれば猫のからだを拭けます。収納の棚も階段のようなステップ調に組み立てれば、既存の家具でも猫がのぼって楽しめるキャットステップとして使えます。

 猫専用のアイテムを買わなければいけない、という先入観を持たないことで、買い物をするときには、「猫にも使えるかな」と考えるのが習慣になりました。

ヤノ家の猫トイレ。色味をそろえるだけでもスッキリ見えます
ヤノ家の猫トイレ。色味をそろえるだけでもスッキリ見えます

コロコロはすぐ手に取れる場所に

――掃除はどのようにしていますか。

 汚れが溜まるといやになってしまうので、「ちょこちょこ掃除」と「習慣化」を心がけています。抜け毛やホコリは夜の間に落ちてくるので、朝起きたら一番にドライシートで床掃除して落ちている毛をきれいにします。床に何も置かないようにしていればあっという間に終わりますし、習慣化していればおっくうには感じません。

 ちょっとしたすき間時間を活用するのもポイントで、お茶をいれる際にお湯が沸くまでの間にサッとキッチンのモップ掛けをしたり、猫たちがご飯を食べている間はトイレの掃除と決めてサッと片付けてしまいます。

 お掃除用のコロコロクリーナーは手に取りやすい場所において、猫毛が気になったらすぐにコロコロしています。

――ヤノさんのお宅は、インテリアも素敵ですね。

 一般に売られているペット用品は、子ども用のようなファンシーなデザインや色使いのアイテムが多くて好みに合わないので、なるべく使いません。フードを入れるお皿も、人間用のシンプルなものを選んで使っています。

 部屋に置くモノの色をそろえるだけでも、室内に一体感が出てスッキリするのでおすすめですよ。

ヤノミサエ
4匹の猫と暮らすフォトスタイリスト。東京や大阪でフォトスタイリング講座を開催している。猫が喜ぶインテリアを研究、実践中。著書に「猫がよろこぶインテリア」「猫がよろこぶ掃除・片づけ」(辰巳出版)。ブログ「猫4匹と心地よい大人のひとり暮らし」。インスタグラムはこちら
森田悦子
フリーランス記者、ファイナンシャルプランナー。金沢大学法学部卒。地方新聞社会部記者、編集プロダクションを経て独立。得意テーマは経済、金融、投資、社会保障、ペットなど。「AERA」「週刊朝日」などで執筆中。どちらかというとネコ派。

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この連載について
ペットの住宅事情
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