小さな犬が結んだ愛 「この子をなんとかしなきゃ」から、結婚へ

西国分寺駅(東京都)から徒歩10分。5階建てのマンションで石原直之さん(51歳)と寿子さん(43歳)夫妻は、チワワのすみれ(メス、3歳)暮らしている。
(末尾に写真特集があります)
今年2月まで、石原夫妻には、ココというもう1匹の大切な家族がいた。チワワのオスで、すみれの良き兄貴分。留守番は仲良く2匹でしていたのだが、ココは突然、病気で旅立ってしまった。享年10歳だった。
「もっと長生きできたかなと思うと本当につらくて、主人と2人で泣いてばかり……」
石原さん夫妻が勤めるのは、多摩地区にある住宅リフォーム会社「ホームテック」(0120-89-1802)。ペット飼育用のリフォームも手がけている。直之さんは取締役部長で、寿子さんはプランナー。職場で出会い、4年前に結婚した。ココは直之さんが独身時代から飼っていた犬で、連れ子ならぬ、“連れ犬”結婚だった。
寿子さんが独身時代を振りかえる。
「主人と付き合うようになって、初めて彼の家を訪れた時は、驚きました。ゴミが散らかっていて。さらに驚いたことに、散らかった中に、犬がちょこんと。それがココでした」
寿子さんに会うやいなや、ココは思いっきりシッポを振って近寄って来たという。
「ボクを救って~っ、て感じでしたね(笑い)主人は残業で帰りが遅いし、本当にこの子をなんとかしなきゃって。それで家に通うようになり、主人との付き合いも深まりました」
寿子さんはココの救世主で、ココは2人のキューピッド。まさに犬が取り持つ縁だった。
デートはたいていココを連れて、日帰りで海に行ったり、山に行ったり……。
そして2012年に婚約。寿子さんの実家に近い今のマンションを購入した。富士山が見える30平方メートルのベランダは、チワワが走り回るのには十分な広さ。約50平方メートルの2DKは、人も犬も動きやすいようにと、寿子さんがプランを立てて、1LDKにリフォームした。玄関とキッチンの壁には犬用ドアも取りつけた。
だが、結婚し、新居で生活し始めると、夫婦そろって朝仕事に行く時に、ココを置いていくことが気になった。
「結婚した時にココは7歳でしたが、寂しくないように仲間を迎えたらどうかなと思ったんです。ココと合う性格の子だったら、と主人も賛成してくれました」
そして結婚の1年後、すみれを迎えた。
「ココは小さなすみれを受け入れて、面倒を見ていました。2匹でむつまじく寝ている姿を見ると、仕事の疲れも吹き飛びましたね」と直之さん。
2匹の散歩は深夜。直之さんが帰宅後に公園まで連れていった。
でも2匹が過ごしたのは結局、3年間だけだった。ココが今年2月、突然体調を崩したのだ。
「白血球が少なくなっていて、入院したのですが……。治療のかいなく1週間後に旅立ちました。亡くなった日は先に妻が会社から戻り、危篤の知らせを受けて僕も会社からタクシーで駆けつけました。運転手さんに、『恥ずかしながら犬が死にそうで』、と伝えたら『自分もこの前犬を亡くした』といって猛スピードで走ってくれて」
運転手さんの計らいでその時に間に合い、夫婦そろって愛するキューピッドを看取った。
「妻よりも長い付き合いだし、特別な存在でした。いいやつだった」
独身時代からの“相棒”ココの夢を、直之さんは今でもよく見るという。
(その後のすみれとの生活、意外な展開については、次回へ続く)
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