5歳の愛猫の突然死 相当なショック、痕跡が無くなると思うと掃除もできない
いつか来るペットとのお別れの日――。経験された飼い主さんたちはどのような心境だったのでしょうか。2023年12月12日、わずか5歳の愛猫を亡くされた飼い主の澄江さんに、愛猫について、また、亡くなったときの状況や今のお気持ちについてお話を伺いました。
家族思いの優しい男の子
――澄江さんが亡くした愛猫のお名前を教えてください。
ヘラクレスと言います。男の子です。
――ヘラクレスくんはどのような経緯で澄江さんのお宅にいらしたのでしょうか?
うちには先住猫のフォウがいるのですが、フォウが慕って懐いていた実家の猫が亡くなり寂しそうだったので、動物愛護センターから当時生後2カ月だったヘラクレスを引き取りました。
――ヘラクレスくんはどのような性格の子でしたか?
性格はすごくビビりで、でも、家族思いの子でした。子供たちに対して攻撃することはなく、尻尾や背中をひっぱられても怒ることはしない優しい子でしたね。
ある朝、起きたら亡くなっていた
――ヘラクレスくんは何歳で亡くなられたのでしょうか?
5歳でした。
――亡くなった経緯を教えていただけますか?
昨年の12月12日の朝、突然亡くなっていました。朝7時半ごろに夫が起きて、ヘラクレスがトイレの横で寝そべっていたので「そこにいたら邪魔だよー」と声を掛けましたがピクリともしないので、あわてて私を呼び、夫婦でゆすったりしたのですが、その時にはもう亡くなっていました。
――前日までに変わった様子はなかったのでしょうか?
朝まで一緒に私と寝ていたんです。ヘラクレスはいつも朝起きるとひとりでトイレに行くので、その日の朝もトイレに行ったのは気が付いていました。そのあと、普段は先住猫のフォウと一緒に寝たりすることもあり、私のベッドに戻ってこないことはあったので、その日も特に気にしていませんでした。
――亡くなっていたヘラクレスくんを見つけた時のお気持ちは?
相当なショックでした。それまで年一度の健診でも何の病気もなく、普通にご飯も食べ、キャットタワーにも登り、変わった様子はなかったので。朝まで隣で一緒に寝ていた子が、突然亡くなるなんて信じられなくて……。
――先住猫のフォウくんはその時どうしていましたか?
亡くなったヘラクレスの隣に座って見ていました。亡くなるときも見ていたのかもしれません。せめてひと言鳴いてくれたら、私たちはもっと早く気が付けたのかもと。でもヘラクレスが「呼ばないで」と言ったのかもしれないなと思いました。
愛猫の死に向き合えないまま
――ペットロスはありましたか?
ペットロス、というのかはわかりませんが、火葬が終わり、その後、ヘラクレスがよくいた場所の掃除ができなくなりました。キャットタワーにヘラクレスの毛があると思うと、掃除ができなかったんです。昼寝に彼が使っていた毛布や自分が使っている毛布も、最後まで一緒に寝ていたので、洗濯をしてしまったら、ヘラクレスの痕跡がどんどん無くなってしまうと思うと洗えませんでした。
うちにはハイハイする年頃の子供がいるので、床などは掃除をしていたのですが、子供の手が届かないところは痕跡を消したくなくて掃除ができませんでした。
――澄江さんにとって「ペットの死に向き合う」ということはどういうことだと思いますか?
わかりません。これはむずかしいです。ヘラクレスの死にまだ向き合えていません。ちゃんと向き合ったら、もしかしたら心が壊れるかもしれないし、乗り越えられるのかもしれない。今は小さい子供が2人いて、忙しいからこそ、心をごまかせているのだと思います。
寂しいな、つらいな、とは思います。多分、一生消化できないと思います。大泣きするとヘラクレスが心配すると思うので、写真を見てちょこちょこ泣いています。
ヘラクレスが亡くなったあと、先住猫のフォウが夜鳴きをするようになってしまったので、子猫を迎えました。とてもかわいいし癒やされますが、私にとってヘラクレスの代わりにはなりません。あの子はあの子ですから。
<取材を終えて>
5歳の病気もない愛猫の突然の死は、飼い主の澄江さんにとても大きな衝撃を与えたように感じました。子育てで忙しく過ごすことで、少しずつ現実を受け入れていき、いつかヘラクレスくんの死と向き合う時間ができたときに、ペットの死に向き合うことへの答えが出るのかと思います。
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