老犬の食欲がなくなってきた… いつものドライフードで対処する方法を発見
保護犬の預かりボランティアをする、インテリアデザイナーの小林マナです。犬や猫と暮らしやすい住空間をつくり、いまは保護猫1匹と、預かり犬1匹と生活をともにしています。第39回は「老犬ニハチの食事」をお伝えしていきます。
寝たきりのニハチの要求吠え
預かり中の保護犬ニハチは、元々食べるのが大好きで、食事前にはソワソワしてキッチンにやってきたりしていました。
そんなニハチは、老化で寝たきりなってから、食事の準備をしてフードの香りが漂ってくると「ワン!」と1、2回ほえるようになったのです。寡黙だったニハチが、自由が利かなくなって訴えるようになったのには驚きました。
それはそれで悪いことではないと思います。いつかの脱走事件の時は、探しながら「鳴いてくれ~」と何度思ったことか。
それほど大きな声ではなかったのもあり、意志を伝えてもらえると、こちらも元気な様子を感じることができて安心できました。
目も耳も悪くなっていましたが、大きな黒い鼻だけはしっかり効いていたようです。
どんなフードも食べてくれるニハチ
以前、我が家で預かっていた「うえしたくん」という老犬は、鼻が悪かったのか、持病のせいか、何を出しても「プィ」とそっぽを向いてしまい、あれこれトッピングを購入してなんとか食事をあげていました。
臆病な野犬の子犬だった「ドー」も食が細く、フードのトレーニングが全く効かないタイプでした。耳も目も鼻も効きすぎるようで、ささいな音や反射する影、すごく遠くにいる犬にもほえてしまうスーパーセンシティブな犬がいることを知りました。
総合栄養食のドライフードを食べてくれるのが栄養面では一番いいのですが、うえしたくんとドーはそうもいかず、トッピング用にさまざまなフードを購入していたので、冷蔵庫には開封した缶詰やパウチがどんどん増えていくという始末でした。
その点ニハチは、出されたフードに文句ひとつなく一気に食べてくれました。本当に食欲がある子は助かります。
ドライフードは最強の使い方があった
総合栄養食のドライフードは、どんなにおいしい缶詰やパウチに比べてもカロリーや栄養素のバランスがとれているので、それだけを与えていれば栄養上の問題はありません。
具合が悪くなって食事が自分で思うようにとれない時にとてもよかったのは、ドライフードをミキサーで粉末状にして与える方法です。
粉末状のドライフードに水を足して作ったペーストは、硬さを自在に調節できるので、団子状にしたり、ちょっとゆるめたり、液状にしたりととても便利に使えました。
団子状にすると強制給餌(きゅうじ)がとてもラクで、コロコロっと丸めて口にポイッと投げ込めば、パクパク食べてくれました。
水を飲むようにゆるめのフードを食べてくれることもありました。大きなシリンジに入れて、流動食として流し入れた時にも、カロリーが他のウエットの物よりも高いので、分量を増やさなくてもいいのが便利でした。
ニハチの食欲がなかった時には慌てて、あれこれパウチやハイカロリーのミルクなどを買って与えていましたが、今まで食べていたフードを粉砕するだけというとても身近なものを使えてちょっとびっくりした経験があります。
そして、多くの老犬のフードも実は、今まで食べていたフードを粉砕して硬さを調節することで、カロリーが減ることなく食べさせることができるのでは?と思ったのでした。
ぜひ、試してみてもらいたい方法です。
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