じゃれ合い?本気のケンカ? 猫同士の激しいにゃんプロ、ときには仲裁も必要
猫と幸せに暮らすヒントや困りごとの解決法を、獣医師で米国獣医行動学専門医の入交眞巳先生が教えてくれます。今回は、「激しいにゃんプロ」について、入交先生が答えます。
猫も社会性があり遊びが大好き
立冬が過ぎ、冬の気配になりました。いつまで暑いんだろうか?と思っていた数日後に「寒い」と言って暖房を入れようか迷うこの数日。夏から初冬に一気にいってしまった今年のこの変な気候は、温暖化の影響なのでしょうか?
さて、今回は「にゃんプロ」に関してのご質問です。
Q.うちには2歳と5歳の猫(ともにオス)がいます。前脚を繰り出し合ってポカスカ遊ぶことがよくあるのですが、2歳の子が興奮してエスカレートするとおっとりやさしい性格のもう一匹がダッと逃げていくことがしばしばあります。先に猫ベッドで寝ていたのに追い出される形になってしまうことも。ストレスがたまっていないか心配です。とはいえ、にゃんプロに飼い主が介入すべきかどうかも迷ってしまい、アドバイスをいただきたいです。
猫も社会性のある動物で遊びが大好きです。相性のいい猫がおうちの中にいれば、じゃれあって遊びます。猫同士の相性は、おそらくオスとメスのペアが一番よいのかもしれませんが、フィールドで自由に仲間と暮らす飼い主のいない猫さん達の社会を見ると、メス同士でグループを組んでいたり、オスが数匹一緒になって生活していたりもします。また、メスとオスが一緒にいるグループもあります。自宅にいる猫さんの場合は不妊手術がされていることが多いので、相性はおそらく性別も大事かもしれませんが、やはり個人個人(個猫個猫?)の相性になると思います。
ご相談者さまの文章を拝見すると、最初のうちは猫ちゃん2匹で楽しくにゃんプロをしているとのこと、この間は見守っていてよいでしょう。どちらもケガをしたり、相手のことを怖がるような行動はないはずです。
別のことに気持ちを向けさせる
しかし、2歳の子が興奮してエスカレートしてしまって相手の子が逃げるような状況は、嫌がっているのに2歳の子があまりにもしつこくしているようであれば、確かに5歳の子にストレスもあると思います。
その場合、5歳の子が嫌がった時点で2歳の子がさらに追いかけたり、5歳の子が逃げるのを邪魔したりしないように、2歳の猫の行動を中断してあげられるとよいかもしれません。少し音をたてたり、名前よんだり、猫じゃらしを見せたり、ボールを投げたりなど、別のことに気持ちを向けるようなことをしてもよいかと思います。
環境づくりと飼い主との関わりも大事
ご相談者さまの2匹の猫は普段は仲が良いのでしょうか?一緒にくっついて寝たり、お互いに頭の辺りをなめあったりしていますか?もし一緒にくっついて寝ている関係でも、5歳の子が、たまには一人で寝たいと思って2歳の子がベッドに来ると逃げているのかもしれません。快適に寝られる猫のベッドをあちらこちらに複数用意していただき、一人になりたいときは一人になれるような環境を作ってあげたらよいかと思います。
また、2匹の猫はにゃんプロを二人で楽しんでいるかもしれませんが、猫同士の遊びだけでは十分は言えません。猫は人と遊ぶ時間も大切なため、それぞれの猫と人の時間も大切に持ってあげてください。
急に気温が下がって、朝起きると我が家の猫が私の布団の上にいるようになりました。この夏暑かったので、涼しい玄関に一人で寝ていることが多くて私はさみしい夜を過ごしていましたが、また猫と一緒に寝られる季節。皆様も、猫と一緒に寝られる季節ですが、猫に布団を取られて風邪をひかないようにご自愛ください。
(次回は12月10日公開予定です)
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