猫ハウスの上に並ぶ2匹
猫ハウスの上に並ぶ2匹

愛猫の健康のため、サプリを飲んでほしいけれど 2匹の食べ方の違いが明暗を分けた

 猫に薬を飲ませるのは至難の業——。というのは、多くの猫飼いの皆さんに賛同していただけるかと思います。この連載でも猫の投薬について何度か書きましたが、“サプリメント”ならどうでしょう。必死で飲ませる必要はないものの、猫さんの体に合うものなら積極的に飲んでほしいサプリ。今回は、我が家の猫とサプリについてお話します。

猫用のサプリって?

 私も毎日飲んでいますが、サプリは食事で摂取しにくい栄養を補助してくれるもの。猫用のサプリといえば、腸内環境や口内環境を良くすることを目的としたもの、健康補助としてビタミンやミネラルが含まれているものなどさまざまです。味付けは、たいてい猫が大好きなカツオ味が多いように思います。

リラックスする猫
何やらおしゃべりしているあんず

 我が家の場合、獣医さんの勧めもあり、猫らが5歳くらいの頃から猫用に作られた腸内環境を整えるサプリを与えるようになりました。飲ませるのはとても簡単で、ドライフードにたっぷり混ぜて与えています。飲む、というより、食べる、と言った方が正しいかもしれません。カツオの良い香りがするので食欲をそそるようで、パクパク食べてくれます。薬の場合はフードに混ぜたりなどしたら、絶対に食べてくれませんがね。

新たなサプリを試してみたら…

 そのサプリに特に不満はなかったものの、12歳になった猫らのために、夫がさらに新たなサプリを見つけてきました。今回は口内環境を整えるためのもので、「しばらく続けると口臭がなくなる」など、口コミでかなり評判が良かったんだとか。

猫バトル
猫ハウスをめぐってバトル中。「譲って!」「イヤ!」

 そこで早速、フードに混ぜて試してみることにしました。そのサプリは、白い無臭の粉末でしたが、食べるとカツオ味とのこと。

 粉末とはいえ粒が少し大きめなので、ドライフードにかけた時の見た目が気になるけれど、薬とは違うし大丈夫だろうと、フードにまんべんなくかけて出してみました。

 すると、「あんず」は新たなサプリを気にすることなく、フードにがっついてくれました。よかった、これなら日常的にあげられそう、とほっとしたのですが……。この後、試行錯誤が続くことになったのです。

サプリが好きすぎてこうなった!?

 朝ゴハンでもオヤツでも、新たなサプリをあんずに与えることは大変たやすいことでした。

 一方、キジトラ猫の「モモ」は……。モモは、自分が好きな時に食べたいタイプなので、目の前に出しても食べないこともしばしば。いわゆる“置き餌”が好きなので、あんずが最もゴハンを欲しがる朝の時間帯に目の前に出しても、「アタシは今、日向ぼっこしたいんだよ!」とばかりに、プイっとそっぽを向かれてしまうこともしばしば。

 なので、モモには置き餌で食べてもらうのがお互い楽ではあるのです(1日2回に分けて、お皿は洗っています)。そんな理由もあり、ドライフードに混ぜておけば勝手に食べてくれるだろうと思っていたのですが……。

くっつく2匹の猫
ふたを開けたら、いつの間にか2匹でギューギューに詰まっていた

 朝、ドライフードにサプリを混ぜた日の午後、猫エサのお皿をふと見てビックリ。残ったドライフードがガッチリ固まっていたのです。

 最近、湿度が高いせい……?と思ったのですが、ここまで固まるはずはありません。もしかして、まぶしたサプリが美味しくて、どっちかの猫がドライフードをなめてしまったのかもしれない……と考えました。

 サプリをなめてくれるのは良いけれど、それではモモ用の置き餌ができなくなってしまいます。とりあえずその時のフードは早々に処分し、新たなフードを入れてサプリは入れずに置きました。

サプリのあげ方を試行錯誤

 そして翌朝、新たなサプリのあげ方を考えながら、猫らの朝ゴハンの用意をしようと、前日に残っていたサプリの袋を見て、またビックリ。

 袋の入口についたサプリの粒がガッチリ固まっていたのです。ぬらした記憶はないので、置いていただけで固まったということは、そもそも開封すると時間の経過で固まりやすいということ。つまり昨日は、サプリが美味しくて猫がなめたわけではなく、固まってしまったのだ……ということが分かりました。

 今までのサプリは時間が経ってもサラサラしているので置き餌向きでしたが、新たなサプリは全体的に混ぜる場合、一度に食べ切れる量が適していて、置き餌には向かないということになります。

 そこで、その日はドライフードの上に乗せるトッピング用のウエットフードの上にのみ、そのサプリを載せることにしました。

昼寝する猫
ハウスの上で寝るのも好き

 すると、もちろんあんずはすぐに食べてくれますが、モモに食べさせるのは至難の業に……。

 あんずはウエットフードが大好きなので、“置き餌(食べたい時に食べる)ではウエットフードは食べられない、ウエットは飼い主にもらうべし!”と分かっているのですが、モモはウエットフードにさほど興味はなく、「とにかく、好きな時に食べるのが一番!」タイプ。

 置き餌をやめて、 1日数回に分けてあげるにしても、モモは出してすぐ食べるわけではないので、サプリを入れて固まる前に食べてくれるのか……。サプリはどれくらいで固まるの……?

 ということで、飲み水に混ぜてみることにしましたが、あまりたくさん混ぜると水の風味が変わってしまいそうなので、わずかに混ぜることに。これって摂取できていると言えるの……?

 あんずには与えられているものの、モモにはいまだハッキリした解決策はありません。いろいろと考えた結果、そもそもサプリを飲むかどうかより、置き餌でなく、出した時に食べてもらえるよう変えていくことのほうが大事かもしれない、と改めて考えるきっかけになった出来事でした。

(次回は7月20日公開予定です)

【前の回】12歳のシニア猫たちが“寝床争い”で激しくケンカ!? 飼い主の心配をよそに2匹は…

安田有希子
2015年からsippoにて「猫アレルギーですけど」の連載開始。2匹の元保護猫と暮らして4年目に猫アレルギーが発覚するも、平和に暮らす。猫の好きなパーツは、小さく並んだ門歯。幼少の頃「うちのタマ知りませんか?」のすごろくに大ハマりした年代。栃木県出身。

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この連載について
猫アレルギーですけど
普通の家で飼われている猫「あんず」と「モモ」。飼い主の主婦が、2匹との生活や発見をユニークな視点で切り取る人気連載です。
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