12歳を迎えた猫ら
12歳を迎えた猫ら

12歳のシニア猫たちが“寝床争い”で激しくケンカ!? 飼い主の心配をよそに2匹は…

 我が家の猫らは、ゴールデンウィークで12歳を迎えました。

 元保護猫であるサビ猫「あんず」は、2011年4月末に都内のお宅の物置小屋をちゃっかり拝借した母猫のもとから産まれ、同じく元保護猫のキジトラ猫「モモ」は、生後数日にひとりぼっちで見つかったため、誕生日の推定は5月初旬。2匹とも“ゴールデンウィーク産まれ”としています。

 そんな猫らは毎日、ぴったりくっつきあって眠るほど仲良しではありますが、その一方でケンカもつきもの。先日も、ちょっとしたバトルがありました。

寝床探しを始める2匹

 外で暮らす猫のケンカの原因は、縄張り争いか、メス猫の奪い合いが多いのだそう。確かに、我が家の猫らのケンカの原因も、主に“縄張り争い”と言えます。

 縄張りといっても、我が家の場合は “寝床争い”にあたります。猫らにとっての寝床は数種類あり、時間帯によっても変わるし、一番長く寝る夜の寝床は、一度決めると1週間くらい変えない様子です。

一番人気の寝床。左があんず、右がモモ

 猫らの寝床探しは、主に朝食後と夜の時間帯に行われますが、今回の“事件”が起きたのは夜。猫らが一番活発な時間帯です。子どもと夫が寝静まってから、リビングで一緒にひととおり遊び、猫らが寝床探しを始めた頃にそれは起こりました。

 まず、いつも決断力のある、あんずの寝床が決まりました。一番人気のリビングにある座椅子の座布団の上にクルッと丸まって、寝る体制に入ります。

 次に、常になかなか寝床が決まらないモモが、部屋をウロつきます。猫用のハウス、夫の椅子、窓際の猫ベッド、冷蔵庫前、いつもの寝床をひととおり見て回って(いつも同じなのに、日によって雰囲気が変わるのでしょうか……)、「やっぱり、あそこしかない」とばかりに、おもむろにあんずのいる座椅子に近づくモモ。

 迷ったあげく、あんずの所で寝る、というのはモモのいつものパターンです。

 すでに体を丸めて寝る体制が決まっているあんずのもとに、モモがやってきました。モモはあんずのニオイをクンクン嗅ぎ、「一緒に寝てもいい?」と聞いているように見えます。

ケンカが始まった!

 するとモモは「やだ!今はひとりで寝たいのよ!」とばかりに、頭を起こしてカーっと鳴きながらモモに猫パンチ。最初は空振りに終わっていました。あんずは大抵モモが来ても怒りませんが、2割程度の割合でイヤがることも。

座椅子の上でバトル(昨年の写真)

 モモも負けじと「いいじゃん!いつも一緒に寝てるんだから!」と諦めずに、近距離でにらみます。

 モモに上からにらみつけられている状態は、下にいるあんずにとって形勢不利。あんずが体は起こして、モモにまたパンチを繰り出します。すると2匹は走り出し、 場外乱闘が始まりました。

 珍しくあんずが「シャー!」と怒りながらパンチして、モモも「カーッ!!」と反撃しています。そしてかみつき合いが始まり、2匹の怒りはヒートアップ。

 かみつき合って、じゃれているのかケンカしているのか……という様子は何百回も見てきましたが、こんなに大声を出して怒っているところはあまり見たことがありません。

 なんだか怖くなり、でも止めるのも良くないのか……?と、「ちょっと、やめなよ~……」と、落ち着いたトーンで声をかけてみました。

 すると2匹はドドドドと走って、取っ組み合いのケンカは一旦終了。その後、2匹はそれぞれ水を飲みに行ったり、別の場所でたたずんだりしたので、ほっとして入浴しました。

飼い主の心配をよそに、2匹は……

 年をとってからの2匹は長いケンカはしないけれど、今回のケンカは激しかった。風呂の中で、2匹は今頃どうしているかな……年をとって仲が悪くなってしまったんだろうか……と思いをはせ、浴室から出ると……。

 さっき争っていた座椅子の上に、2匹仲良くぴったりくっついて、ちょこんと並んでこっちを見ているではありませんか。ズッコケましたとも(心の中で)。

「何が?」という顔。

「ちょっとー!心配させないで!」

 と思わずツッコミを入れてしまいましたが、猫らは「は?何が?」といった顔をして、2匹はまるでひとつの毛玉になったかのように、本格的な眠りに入っていきました。

 私が心配することは何もなかった。猫らのケンカは子猫の頃からで、ほぼ毎日“かみつき相撲”を取っていて、子猫の頃は、かみつき合い&追いかけっこが始まると、いつまででも終わらず、1畳ほどのソフトクレートに2匹に入ってもらって、クールダウンさせていたものでした。

 年をとってからは、短いかみつき合いだけで終わっていますが、それも2匹のコミュニケーションのひとつであり、「ケンカ」とは少し違うのかもしれない、と改めて思ったのでした。

何やらおしゃべり?しているのかケンカをしているのか……

 かみつき合いで、2匹がケガをしたこともありません。でも、モモに薬を飲ませた夫がかまれたときは、流血沙汰になりましたけどね。夫との絆はそんなものなのかもしれません……。 

(次回は6月15日公開予定です)

【前の回】愛猫が家の中で警戒中 その理由は帰省時の“あの子”にあった…⁉

安田有希子
2015年からsippoにて「猫アレルギーですけど」の連載開始。2匹の元保護猫と暮らして4年目に猫アレルギーが発覚するも、平和に暮らす。猫の好きなパーツは、小さく並んだ門歯。幼少の頃「うちのタマ知りませんか?」のすごろくに大ハマりした年代。栃木県出身。

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この連載について
猫アレルギーですけど
普通の家で飼われている猫「あんず」と「モモ」。飼い主の主婦が、2匹との生活や発見をユニークな視点で切り取る人気連載です。
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