山の家のドッグランにて
山の家のドッグランにて

天使がいるとしたら、それは犬だ そばにいるだけで彩り豊かになりなぜか活力が湧く

(末尾に写真特集があります)

私から来場者へのメッセージ?

 4月29、30日に『パナソニック保護犬猫譲渡会2023 』が開かれる。会場では写真展もあり、これまでも何度か私は写真提供してきた。この譲渡会ではないが、大吉と福助は譲渡先募集で迎えたし。今年もお願いしますと編集部から依頼があったので快諾したのだが、写真だけでなくそこには大吉と福助のプロフィルと共に来場者へ向けたメッセージも添えて欲しいとのこと。そこに書いたのが、タイトルにある「天使がいるとしたら、それは犬です」という言葉だ。

 そのことは犬と暮らしている人なら実感していると思うが、本当に犬は天使なのだ。いや、都合の悪いことは聞こえないふりはするし、興味がないと露骨につまらなそうな顔をする。さっき妻におやつをもらったはずなのに、私には「もらってない」という顔で「うそ」もつく。

「最近遊びに行ってないからつまんねー」オーラ放出中

わが家の天使たち

 他にも、福助は散歩の途中で突然踏ん張って進むのを拒否したり、ウンチモードになってずんずん歩くのに、さんざん連れ回されて結局しないこともある。そんなとき「なんで?」という顔で振り返ったりする。そこは心の底から「知るか!」と叫びたくなるが、私はやらない。なぜなら、犬は天使だからだ。

 雷や花火が嫌で仕方ない大吉は、外からゴロゴロ聞こえると、ひざの上に飛び乗ってブルブル震える。私がパソコンに向かって仕事してようが、おかまいなしである。小型犬ならいざ知らず、13キロもある大吉が私の前に座り振動していると、ものすごく邪魔でキーボートも打てない。雷の何が怖いのか、怖い思いをしたことがあるのか? ないだろ。なのになぜ学習しないんだ? と説教したくなるが、私はしない。なぜなら、犬は天使だからだ。

山の家に行くとおおはしゃぎ

無条件で信頼し、必要とされる

 好き嫌いがあってもいいし、なんだか良くわからないこだわりや癖があってもいい。私だってそうだからだ。むしろ人間の方が裏表や邪念があったり、欲が深い。何を考えているか分からないことも多い。そういう意味で犬の方がよっぽど純粋無垢(むく)だと思う。うそや演技も意味不明の主張もするが、可愛いものだ。彼らの根底にあるのは、ずっと一緒にいたい、という願いであることは暮らしているとしぐさや表情から伝わってくる。

 彼らにしてみれば、私がどういう人間なのかは関係ない。ただ完全に信頼して、好きでいてくれる。私を必要としている。そして、いつもそばにいて、ときには一緒に遊んだり、疲れたら安心した顔でスヤスヤ眠っている。そんな姿を見ていると、まさに天使だと思う。たまに不平不満も訴えるが、天使にだって多少のストレスはあるだろう。というか、そういう場合、私が悪いことが多い。

大吉をなでている手をかむ福助

彼らを迎えたのは

 こう書くと、何でも許して犬に従う馬鹿飼い主だと思うかもしれないが、そうではない。たしかに馬鹿飼い主の部類には入ると思うが、何でも許すわけではないし、要求にすべて従っているわけではない。以前書いたように、暮らしていく中でお互いの譲れないラインが分かれば、それを守りつつ、なるべく犬中心に考えるようにしている。

 なぜなら、彼らが勝手にやって来たわけではなく、迎えると決めたのは私だからだ。と言いつつ、今になってみれば、彼らがそう仕向けたのではなかと思うこともある。それくらい、彼らは私の暮らしと心にしっくり来ている。これは多くの飼い主が感じていることではないだろうか。

がっつりかんでいるようで甘がみなので全然痛くない

犬の不思議な力

初代の天使

 そして、彼らがそばにいるだけで、生活の彩りが豊かになり、なぜか活力が湧いてくる。それは富士丸が7歳半で突然死して、後に大吉を迎えたときに実感したことだ。富士丸がいなくなっただけで、目に映る世界がモノクロームになり、何のやる気もなくなった。そんな日々が2年半ほど続いた後、大吉が来たらみるみる色彩が復活し、やる気が戻ってきた。そこに福助が加わり、今にいたる。

 そう考えると富士丸も天使だったし、いなくなった後、大吉が来なければ、私は全然別の人生を歩んでいたと思う。それはそれで別の道があったのかもしれないが、こっちを選んで良かったと思っている。だからやっぱり私にとって犬は天使なのだ。

「本当に?」と思う人は、犬と暮らしてみれば分かると思う。かといって、気軽に勧めているわけではない。けれど、それほど気負う必要もないと思う。ただひとつ、迎えたなら最後までちゃんと面倒を見る(出来れば保護犬の飼い主募集で!)。それだけを守れば、私の言う天使の意味が分かると思う。

掃除するそばで散らかす天使

【前の回】多頭飼いを始めるときは優先順位とジェラシーに注意 犬は自分への愛情に敏感

穴澤 賢
1971年大阪生まれ。フリーランス編集兼ライター。ブログ「富士丸な日々」が話題となり、犬関連の書籍や連載を執筆。2015年からは長年犬と暮らした経験から「デロリアンズ」というブランドを立ち上げる。2020年2月には「犬の笑顔を見たいから(世界文化社)」を出版。株式会社デロリアンズ(http://deloreans-shop.com)、インスタグラム @anazawa_masaru ツイッター@Anazawa_Masaru

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この連載について
悩んで学んだ犬のこと
先代犬は富士丸、いまは保護犬の大吉と福助と暮らす穴澤賢さんが、犬との暮らしで実際に経験した悩みから学んできた“教訓”をお届けしていきます。
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