恐怖の惨状!破壊活動に拾い食い ダックスの子犬の激しさに途方に暮れる
18年余り、大切に大切に育てた愛犬が旅立った。悲しみの中、もう一度犬と暮らしたいと、先代犬と同じ品種の子犬を迎えた夫婦。犬種のことを理解しているつもりだったが、かわいい子犬は、その経験と自信を打ち砕くほどの「ハカイダー」だった――。
UG DOGSアトラスタワー中目黒店(以下UG)の激アツ店長こと高橋信行さん、中目黒の駅前で叫ぶ。
「子犬は1日1日が大事。迷っている時間はない!」
子犬のおかげで笑顔を取り戻した
「おせち、お供えしようか」
4年前の年の暮れ、愛犬が虹の橋を渡った。18歳5カ月。一緒にいた時間が長かった分、悲しみは深かった。お正月を前に、何かおいしいものをお供えしてあげようと、年の瀬が差し迫った12月30日、夫婦はペットショップへと出かけた。
「おせちを選んでいたら、なんだか視線を感じて……。1匹のダックスフントの子犬が、こちらをじーっと見つめていたのです」
先代の子もダックスだったこともあり、お父さんもお母さんも、一瞬にしてその子犬に心を奪われてしまう。
「犬のいない生活は考えられない。前の子を失った傷は癒えるどころかまだまだ生々しかったけれど、夫と私の年齢を考えると、早い時期に次の子を迎えるつもりではいました。私は成犬でもいいと思っていたので、保護犬も考えていたのですが……」
お母さんの言葉を受け、お父さんはこう続ける。
「僕はどうしても、もう一度子犬を一から育てたかった」
お父さんの強い思いもあり、何よりゴールデンの美しい毛並みと真っ黒いお鼻が愛らしい子犬に、久しぶりに笑顔を取り戻したお母さんも、その子のお迎えを決意する。
壊すだけじゃなく破損部分を食べる!?
大晦日に家にやってきた子犬は「ルーク」と名付けられた。最初こそおとなしかったルークくんだが、次第にハイパーぶりを発揮し始めた。
まず、布を掘る、布をかみちぎる。ケージの中のベッドやブランケットはビリビリに。さらに、硬いものも臆することなくかんではぶっ壊す。
「前の子が使っていたソフトクレートは、あっという間にボロボロに。慌てて購入したケージも、プラスチックのトイレトレーも、ジョイント部分をかんで見るも無残に破壊してしまいました」と、お母さんは当時を思い出してため息をつく。
前の子も掘ったりかんだりはあり、それがダックスフントの習性だとは理解していたが、ルークくんは、壊すだけでなく、破損した部分を食べてしまう。「共働きで昼間は留守番させているので、ずっと監視しているわけにもいかない。どうしたらいいのか途方に暮れました」。
同じ犬種でも前の子とは違う
しつけ教室に行ってみることに。しかし、おすわりやフセなどのコマンドを教え込む、文字通りしつけを教える教室だった。「エネルギーの発散が足りないことが掘る、かむにつながっていると思っていたので、おとなしく言うことを聞かなければならないしつけ教室では、ますますルークのストレスがたまっていくように感じました」とお母さん。
パピーパーティーにも参加してみた。遊びたい気持ちが前のめりとなり、ほかの子犬に勢いよく突進するルークくん。結局、一匹だけリードをつけられ、みんなと遊ばせてもらえなかった。
体力を使わせようと散歩に出れば、はちゃめちゃ。「拾い食いがすごかった。石、葉っぱ、布類……。見つけると興奮してそちらに気が行ってしまい、まともに歩けませんでした」とお父さん。
さらに困ったのが、体に触らせないこと。ルークくんは特に顔や首周り、脚を触られることを嫌がった。首輪をつけるのに四苦八苦、散歩から帰ってきても脚はふけない。目の周りの手入れもできない。「体をローリングさせ頭をグルグル回してジタバタと抵抗する。うちでは『連獅子』と呼んでいました(笑)」。今でこそ笑えるが、無理にお手入れしようとすると、嫌がってガブッ!
「前の子はそんなことがなかった。本当にどうしていいのか困り果ててしまって……」。そんなお母さんをさらに悩ませたのが、ネット上にあふれる「子犬のしつけかた」だった。
20年前とはしつけ方が真逆で困惑
先代が子犬だったころは、比較的厳しいしつけ法が主流だったという。「前の子のときは、首の後ろの部分つまんで持ち上げたり、体を押さえたりして教えたこともありました。ところが約20年ぶりに再び子犬を育てることになったら、『ほめる』『厳しく叱っちゃダメ』になっていた。前の子を育てた頃とは真逆とも言える状況になっていたのです」と戸惑いを隠さない。しつけ教室でも同様のアドバイスをされ、お母さんはどうしていいのかわからなくなってしまった。
なんとかルークくんのたぎるエネルギーを発散させたい、ものをかんで壊すことをやめさせたい、誤飲や拾い食いを止めたい、触れるようになりたい……。お母さんは必死でネットの中を検索。そして、UGの高橋店長のブログにたどり着く。
「UGのある中目黒までうちから少し距離があるので、まずは電話カウンセリングをお願いしようと思いました。とにかく、つらい気持ちを吐き出したかった」
しかし、電話口の高橋店長はお母さんの話を聞き、「今すぐ連れてきた方がいい」。その真意を聞くと、「強いのは話を聞くだけで明白でした。また、ルークくんはその時点でまもなく月齢5カ月になろうとしていた。子犬の1日1日は本当に大きいのです。月齢半年を超えたら社会化も難しくなる。迷う時間があったらすぐに連れてきてほしかったのです」と店長。お父さんとお母さんは店長の言葉に心を決め、ルークくんを連れ中目黒へ。
「そのままルークを置いていくことになるとは、そのときは想像もしていませんでした」
- UG DOGS アトラスタワー中目黒店
- 住所:東京都目黒区上目黒1-26-1 中目黒アトラスタワー106
TEL:03-5708-5592
営業時間:11:00~20:00(年中無休)
公式サイト:https://anm.ugpet.jp/ - 店長ブログ:https://www.ugpet.com/blog/anm/
※カウンセリングは電話、対面とも要予約。HPや高橋さんのブログをチェックした上で問い合わせを。UGでは基本的に保護犬を預かる活動はしていません。
後編へつづく(7月25日公開予定)
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