猫がいる子育てを心の底から楽しむ秘訣は「心の余裕」 夫婦の連帯はやっぱり最重要!
妊娠、出産、子育て…家族の形が代わったら、愛猫との関係にも変化が!
一人っ子気質の愛猫「ミア」(3歳・雌)と、暴れん坊の2歳児「ことちゃん」。ふたりの”愛娘”と暮らすライタ―原田が、猫と暮らしながらの子育てでぶつかりがちな悩みを経験者や専門家に相談し、ヒントを探す連載。
子育てと愛猫をうまく両立させている人には、共通点がある。それは、夫婦での協力。育児はもちろん、愛猫の気持ちを立てるためにどうすべきかを夫婦で考え、きちんと分担して実践していた。
6カ月の息子、2匹の愛猫と暮らすあやこさんは、子育てが大変な時期にも関わらず、猫たちとの暮らしを心から楽しめているという。彼女も、今に至るまで試行錯誤しながら、夫婦で赤ちゃんと猫のお世話を分担してきたひとり。
今回は、あやこさん夫婦の子育てと愛猫への向き合い方をうかがった。
猫がいると心が落ち着く
―お子さんの年齢と、愛猫たちについて教えてください。
6カ月の息子。結婚前に引き取った三毛猫のかぼす(2歳・雌)と、かぼすのあとに引き取った茶白猫のつくね(2歳・雄)です。長女のかぼすは、動じない性格。つくねの登場、引っ越し、結婚、出産と、めまぐるしい環境の変化を経験していますが、どんなときもどっしり構えていて、すぐに順応してくれました。つくねはびびりで、警戒心が強い子。私には懐いていますが、夫にはごはんの時以外近づきません(笑)。
息子は最近動けるようになってきて、猫たちに興味を持ち始めていますね。最近はしっぽをつかもうとしたりするので、つくねはとくに警戒しています。
―出産、育児を経験して、猫たちとの関係は変化しましたか?
以前に比べると猫たちと遊ぶ時間は減ってしまいましたが、夫がうまく立ち回ってくれるので、猫たちとの関係は変わっていないと思います。とくにつくねは私にはとても甘えん坊なので、息子が寝た後、毎日2人の時間を作ってスキンシップをとっていますね。その間は夫はかぼすの相手をしてくれます。
私自身も、猫たちとの時間に助けられていますよ。育児中って、周りと接点がなくなりますよね。気づくと毎日夫としかしゃべらない。まだコミュニケーションの取れない息子と、日中2人きりで家にいると、それはそれで息がつまるんです。
育児の合間のちょっとした瞬間に、猫がいてくれることでホッとします。かぼすとつくねに話しかけていると、心が落ち着くんです。
睡眠が心の余裕に
―お子さんが6カ月って、ほとんどの人は少しでも寝たくて心に余裕がない時期ですよね。私はその時期は、ミアと触れ合う時間すら寝たくて、ミアと遊ぶのが義務のようになってしまいました。もちろん、夫も家にいるときは積極的に育児やミアの相手をしていたのですが……。あやこさんはどうしてそんなに落ち着いて猫と子育てを両立できたのですか?
我が家の場合、はっきりと役割分担を決めたわけではないのですが、夫は私が睡眠を取ることを大切にしてくれますね。
たとえば、朝は息子にミルクをあげて、猫たちのお世話をしてから出社する。そうすることで、夜泣きに対応していた私が少しでも寝られるように計らってくれています。朝の睡眠が取れるか取れないかで、心の余裕は全然違ったと思います。
夫は育児や猫のお世話以外でも家のことは積極的にやってくれるタイプで、それも心の余裕になっていますね。万が一私が倒れても、家事や育児が同じようにできる人がいるというのは精神的に心強いじゃないですか。
改めて考えると、夫のおかげで猫たちとの時間を楽しめるほどには心の平和を保てているのかもしれないですね。
―なるほど。たしかに、育児中の心の余裕って、1に睡眠、2にパートナーがバックアップとして機能してくれるかどうか、というところにかかっていますよね。我が家は2は完璧だったけど、夫も激務だったので1は足りていませんでしたね。やっぱり睡眠のプライオリティは高い……。
とはいえ、夫が朝のお世話をするようになったのは妊娠がわかってからですね。猫たちも、もともとは私が飼っていたので、私がお世話していました。
でも、子供が生まれて家のことも猫のお世話も、って、ちょっとひとりではどうにもならない。全部やっていたら確実に寝不足でしたね。
そんな時に夫が、自分ができることを探して先回りしてやってくれたので、本当に助かりました。夫は私の様子を見て動いてくれるタイプではありますが、私もそれを待つばかりでなく、自分にできなさそうなことや負担になりそうなお世話を「やってほしい」と正直に伝えましたね。
猫がいて、子供育てが始まると、家族で共有しなくちゃいけないことがたくさんある。どちらも命で、成長していくので、状況も変わります。だから夫とは、そのつど話し合って、自分がしてほしいこと、今の彼らに必要なことを共有していきたいですね。
夫婦で猫たちと息子のことをしっかり共有できていれば、今後仕事復帰しても安心して働けます。
兄弟のように育って
―猫と暮らしながらの子育てで、印象深かった出来事があれば教えてください。
つくねが哺乳瓶の乳首を食べてしまったことですね。洗って乾かしておいて、疲れて寝たすきにやられていました。その後吐き戻しましたが、食欲がなくなって病院に連れていくときはもうヒヤヒヤ……。
子どもがいると、猫の興味を引きそうなグッズも家に増えますが、もう金輪際不用意にものを置かないと誓いましたね。命に関わることだったので……。
いい思い出だと、かぼすが息子と添い寝してくれることかな。かぼすは息子とコミュニケーションを取ることが嫌じゃないみたいですね。息子が泣いていると、気にして見に来てくれたりもします。
―息子さんと、かぼすさん、つくねさんには、これからどう過ごしていってほしいですか?
どうしたって、猫は人間よりは長く生きられないですよね。だからこそ息子には、かぼすとつくねの存在を通して、命について考えてくれたらいいなと思います。小さい時から身近に命があるって、すごく貴重な経験ですよね。
それからかぼすとつくねには、これからも私と夫の相談相手として側にいてほしいですね。できれば、息子とも仲良くなって、兄弟のように育ってくれたら嬉しいです。
でも一番は、今まで通りのんびりと、2匹仲良く過ごしてほしいかな。
夫婦での共有は心強い
あやこさんへの取材を終えて印象的だったのは、「子どもや猫のことを夫婦で共有する」というお話。一見、当たり前のように思えることだが、猫たちと我が子の日々の体調や、成長に合わせた食事選びを共有してくれることは、実は家事を分担してくれる以上に心強い。
その心強さが気持ちの余裕につながるので、大変な育児の中でも愛猫たちにたっぷりと愛情を注げるというわけだ。
家族みんなの笑顔のためにも、「ママの心の余裕」は必須。肝に命じておきたい。
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