亡き愛犬の七回忌に、老愛犬の“その日”のこと “真珠葬”をきっかけに考えたこと

ミニチュアピンシャー「ココ」
今年15歳になる愛犬「ココ」

 緊急事態宣言が解除されたということで、先日、本当に久しぶりに“マスク女子会”に参加してきました。メンバーは50代前半から60代前半(=私)の文筆業の3人。都の条例に従い、20時過ぎには“クロージング・トーク”となりました。

それぞれによみがえった、最愛の“家族”を見送った記憶

 するとメンバーの一人、A子さんが「来週、五島列島に行ってきます」と。20年、共に暮らし、2年前に虹の橋を渡って行った猫ちゃんを「真珠葬」で送るというのです。

「何? 何?」と他の2人はすぐさまスマホで検索。すると五島列島の奈留島の「悲しいほどに美しい蒼をたたえた海の中、アコヤガイに抱かれて、お骨が真珠〈虹の守珠〉に生まれ変わります」「ゆっくりと時を刻み、虹色の輝きに包まれて、あなたの元に帰ってきます」という説明と共に、まるでバロック真珠のような美しい珠の画像が目に入りました。

 私を含め、そこにいる全員が最愛の“家族”を送った経験があったせいか、色々な思いが頭をめぐりはじめ、いつの間にか、全員、ポロポロと涙を流してしまいました。

 複数、預けた骨がどのような真珠に育っているかは行ってみないとわからないとのこと。「奈留島まで自分で取りに行かなくて送ってもらう人もいるみたいだけど、大半の人は“お迎え”に行くみたい」とA子さん。骨を識別するためにICチップを埋め込むことができるので、確実に飼い主の元へと帰ってきてくれる……とも聞きました。『ウービィー』という会社です。

万が一のとき、“家族”をどうするか

 その後は3人共が涙目のまま、最愛の“家族”との別れの瞬間を順にトーク。さらに、自分たちが高齢になってきたので、万が一のことがあったとき、“家族”をどうするのか。そして、“家族”が先に旅立ったとき、新たな“家族”を迎えるのか否かについて、各自、それぞれの“事情”を入れ込みながら、自分と“家族”の終活について話し合いました。

 ペットロスから脱出するためには、新しい“家族”を迎えることが良案であるように言われていますが、この日、集まったメンバーのように、「自分が先か、“家族”が先か」という年齢に差しかかると、そうはいきません。

「だから次は、年齢を重ねた保護猫を」というB子さんに対し、「それがいい」と私。A子さんも「保護猫カフェ、紹介するよ」と言ってくれました。

ミニチュアピンシャー「ココ」
目が見えなくても、歳を取っていても、ココはかわいい

一日でも長く、とは思っているけど……

 我が家で、もっとも現実味を帯びているのは、老犬となったココ(今年8月で15歳になります)のこと。季節の変わり目となり、皮膚が弱いココは、ちょっと目を離すと身体が血だらけになってしまうほど掻きむしってしまいます。

 そして、何度も書かせていただいているように、ココは目が見えません。家の様子はだいたい把握できているようですが、洗濯物を部屋干ししていたりすると、床の近くまで垂れ下がっている大判のタオルを前に身動きがとれなくなり、イライラしたような声をあげることがあります。

 さらに夜、一人(匹)、リビングのソファで寝ているココは、トイレのタイミングでもないのに「クークー」「クークー」と声をあげて私を呼ぶようになってしまいました。

 それでも、心からカワイイと思えるので、何も苦にはなりませんし、こういう日々が一日でも長く続いてほしい……と思う気持ちも変わりません。

 ただ、「真珠葬」の話を聞いてから、“その日”のことも考えなければならない……と思うようになりました。

ミニチュアピンシャー「ピン」
今は亡き愛犬「ピン」

 実は、旅立ってから6年半が経つピンの骨は、まだ私たち家族の元にいます。昨年8月31日で七回忌を迎えたのですから、ピンのこともちゃんと考えなければなりません。いまからでも「真珠葬」ができるのかな? 問い合わせをしてみたいと思います。そして自分の終活も……。

 “家族”との暮らしには、勉強することが本当にたくさんありますね。

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山田美保子
1957年生まれ。青山学院大学卒業後、ラジオレポーターを経て、放送作家、コラムニストなどを務める。『踊る!さんま御殿!!』の構成や、『サンデージャポン』『ドデスカ!+』などのコメンテーターを務める。ほかに雑誌、新聞、WEBに連載多数。

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