コロナ時代に猫の力を借りてリフレッシュ! やさしい瞑想の入門書「ねこ瞑想」

眠る猫
「ねこ瞑想」より(辰巳出版提供)

 しなやかで自由気ままに生きる猫は、見る人の心をほぐし、ありのままの自分で生きることの軽快さを教えてくれる。ウィズコロナの時代が幕を開け、社会がこれまで以上に不安やストレスで満ちているいま、猫の力を借りて自分を解放し、心も体もリフレッシュしてみてはいかがだろうか?

(末尾に写真特集があります)

 9月11日に発売された「ねこ瞑想」(辰巳出版)は、愛くるしい猫の写真を眺めながら、猫をイメージして猫とともに(ときには猫になって!)瞑想の世界を体験することができる、いっぷう変わった瞑想の入門書だ。

くつろぐ猫
「ねこ瞑想」より(辰巳出版提供)

かわいい猫に誘われ、瞑想の世界へ!

 本書の冒頭では、瞑想についての疑問や効果が、科学的な解説を交えてやさしい文章でつづられている。

 著者によると、そもそも瞑想とは、浅く短い呼吸によって乱れた自律神経を瞑想中の深い呼吸で整え、心身の不調を改善するためのリフレッシュ方法。意識的に思考を止めることで脳をリラックスさせ、古い思考を整理整頓することができるため、「脳のエステ」効果もあるという。

 本書のタイトルでもある「ねこ瞑想」とは、著者の前田理子さんが考案した、猫とともに行う瞑想法。「猫とともに」と言っても、実際の猫と行うわけではない。7つの瞑想の効果を猫の姿に置き換えてイメージすることで、猫たちからその効果を与えてもらうというものだ。

猫イラスト
「ねこ瞑想」より(辰巳出版提供)

 瞑想のお供にする猫、「パートナーキャット」は、「冷え性」や「頭痛」など、その日の悩みから選んでもいいし、直感で自分が好きな猫を選んでもよいそう。瞑想実践編では、具体的な瞑想の手順や、パートナーキャットのイメージ方法がことこまかに書かれている。

 はじめのうちは覚えることが多くてハードルが高く感じるが、著者によると、あまり完璧を目指さなくてもいいということ。うまく集中できないときは、読み物として瞑想パートを楽しむのもまた一興。パートナーキャットが現れ、自分にパワーをくれるまでの神秘的なストーリーは、猫とのふれあいが頭に浮かんで読んでいるだけでも癒やされる。

茶トラ猫
「ねこ瞑想」より(辰巳出版提供)

猫写真を眺めて、上手に気分転換を

 瞑想時の呼吸方法や姿勢は詳しく図解されており、本格的な瞑想の入門本としての実用度は高い。一方で、瞑想を気軽に続けるためのコツや、うまくいかない時の上手な切り替え方など、初心者の気持ちに沿ったアドバイスが挟まれているのもありがたいところ。

瞑想イラスト
「ねこ瞑想」より(辰巳出版提供)

 瞑想がうまくいかない日はさっさと諦めて、猫の写真を眺めながら寝てしまうのもいい。瞑想を成功させることにこだわらず、写真やコラムを楽しみながら、猫のように上手に気持ちを切り替えることが、結果的に瞑想を習慣化し効果を出す秘訣だという。

 写真パートで登場するモデル猫たちは、横浜にある「猫カフェ ミーシス」のアイドルたち。ゆるい表情やかわいいポーズがたっぷりと掲載され、猫写真集としても楽しめる。「ねこ瞑想」を実践する際、「自分の飼い猫では雑念が入ってしまう」という人には、彼らをパートナーキャットのモデルにすることをおすすめしたい。

 このほか、パートナーキャットとして登場する7種の猫についてのコラムも気分転換にぴったり。猫好きでも知らないことが多く、新鮮に楽しめるはずだ。

瞑想イラスト
「ねこ瞑想」より(辰巳出版提供)

雑念が出たら猫の写真でリラックス

 本書を企画した、雑誌「猫びより」(辰巳出版)編集部の斎藤実さんが、出版の経緯を教えてくれた。

「もともとは、『人が幸せになることで猫も幸せになる』という前田さんの思いに共感したのが始まりでした。また、私自身、高校時代に瞑想を試したことがあり、その効果を実感していたため、本企画を進めることになりました。新型コロナウイルスの影響で、人々の不安やストレスはこれまで以上に大きくなっています。緊張状態が続いて呼吸が浅くなると、人は心身に不調が現れる。瞑想は、深い呼吸で体の緊張をときほぐし、症状を軽くしてくれるので、コロナ禍で不調を感じている人にもぜひ手に取っていただきたいです」

6匹の猫
「ねこ瞑想」より(辰巳出版提供)

 ねこ瞑想を実践している斎藤さんは、初心者が意識するべきポイントや、瞑想の効果についても教えてくれた。

「本に書いてあることを100%実践しようとせず、簡単なことから体で覚えるといいと思います。たとえば、姿勢と呼吸だけ意識して5分座る。深くてゆっくりの呼吸だけ5分やってみる、など。重要なのは『姿勢と呼吸』。これだけでも慣れると効果がわかります。また、瞑想をしていて雑念が出てきた時は、猫の写真を見てリラックスするのがおすすめです」と斎藤さん。

「1週間ぐらい続けると、身体に力が入った時、すぐに深呼吸をして姿勢を整えられるようになります。私の場合は、はじめてすぐに腰痛が改善しました。また、仕事に集中できない時や、ネガティブなことを考えた時、猫を思い浮かべてリセットすることで心をコントロールできるようになりました。猫好きの方はもちろん、肩こりや腰痛などの身体の悩みや、不安やストレスなどの心の悩みを抱えている方は、ぜひ試してみてください」

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「ねこ瞑想」
著者:前田理子
出版:辰巳出版
定価:1400円+税
A5判、128ページ
(書影をクリックすると、アマゾンにとびます)



原田さつき
広告制作会社でコピーライターとして勤務したのち、フリーランスライターに。SEO記事や取材記事、コピーライティング案件など幅広く活動。動物好きの家庭で育ち、これまで2匹の犬、5匹の猫と暮らした。1児と保護猫の母。猫のための家を建てるのが夢。

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