愛猫がトイレで「なんか違うな」という表情 猫砂を変えたらおしっこの回数が増えた!
猫のトイレの形状や種類はじつに多くあります。ドーム型、オープン型、全自動型。トイレの砂も、鉱物、木、おから、紙、とさまざま。我が家では近頃、トイレを増やして砂を替えたのですが、今まで私が避けていたタイプを、愛猫はとても好きだったようです。
数年ぶりの砂の感触
ザクッ、ザクッ、ザッザッザ…。
我が家で、久しく使っていなかった鉱物系の細かな固まる砂を“再導入”しました。
イヌオ(16歳)は「昔使ったかも」と足に懐かしい感触を味わっていることでしょう。細かな砂の感触がはじめてのはっぴー(3歳)は、新鮮な気分に違いありません。
猫とのつきあいは、砂とのつきあいでもあります。
はじめて猫を飼い始めた1992年ごろは、鉱物系の固まる猫砂が主流でした。
イヌオを迎えた2003年ごろには、エコなおからやトイレに流せる紙砂が増えてきて、私もいろいろ“砂巡り”をしました。でも戻るところは鉱物系。
気に入っていたのは海外のよい香りがする砂でした。海辺の砂のように細かくて、それでいてガッツリ固まる。イヌオが砂をかけばかくほど、ふわっとよい香が部屋に広がる。でも砂をかくときに飛び散るので、部屋の至るところで私も、(足の裏で)ザラッと砂の感触を味わったものでした。時にはじゅうたんの奥まで入り込んで「も~っ」なんて叫んで。
便利なシステムトイレ
イヌオが9歳を過ぎた頃、異変が起きました。尿をした後の砂の固まりが大きくなり、スコップすくうたびに、ずしりと重く感じるようになりました。
「重い、いくらなんでも重すぎる」
イヌオを病院に連れていくと、糖尿病で多尿になっていたことがわかりました。
そしてちょうどその頃、ウッドチップで尿を濾過して下に敷いた木のマットや紙のシートに吸わせる「システムトイレ」が発売されたので、重たい砂をスコップですくうより処理が断然楽だ!と飛びつきました。
こうしたシステムトイレは、ウッドチップを月に1度、シートは週1~2度替えればOK。
イヌオの場合は、多尿のためシートを頻繁に交換してコストがかかりましたが、シートを外してトレーに尿をためれば、検査に持っていくこともできました。
イヌオもとくに嫌がらずに使っているように見えました。
3つのトイレをいったりきたり
そもそも、トイレの数は「猫の数+1」がよいといわれます。だからイヌオが一匹の時は2つ置いていましたが、3年前、はっぴーを迎えてからはシステムトイレを3つにしました。
「さあ、はっぴー。どれを使ってもいいんだよ」
戸外で生まれたはっぴーですが、すぐトイレを覚えました。ただし我慢する癖があるのか、子猫の時から一日にする尿の回数が少ないのです。少なくたくさん、ためてする感じ。
しかも、こちらのトイレに入ったかと思うと、なんか違うな、という顔して別のトイレにうつる。あっちへいったり、こっちへいったり。
気になって病院で検査をすると、先生はこうおっしゃったのです。
「膀胱炎などの心配はありませんが、もしかしたら、砂が気に入らないのかもしれません」
「気に入らない?」
「足の裏の感触が気に入らなくて、トイレを嫌う子はけっこういるんです」
はっとしました。自分の選んだ砂が、猫にもよいもの、と思い込んでいたのです。
その後、排泄をテーマにした猫のセミナーで、「システムトイレの砂(チップ)を好まない猫が多い。あれは“飼い主のため”に作られたものだから」と聞いて納得しました。
猫が砂を好まない場合、いろいろなサインが出るそうです。たとえば空中をかく“エア砂かき”をしたり、排泄してすぐぴょんとすぐ飛び出てきたり。
考えてみれば、はっぴーもそんなNGサインを出していました。
砂の飛び散り再び
そんなわけで、動物行動学に基づいて作られた、鉱物系の砂をいれるトイレ新調しました。
昔ながらのオープントイレで、幅58㎝、奥行き38㎝、高さ20㎝。猫の体長の1.5倍を想定した巨大サイズで、猫が入りやすいように、入り口部分が低くなっています。
部屋には置く場所がないので、居間から離れた脱衣所に置いてみると、はっぴーがせっせと通うようになりました。大きなトイレで楽しそうに砂をザクザク掘って、尿をする回数が増えたのです。「気持ちいいよ、もっと早く出会いたかったよ」なんて声が聞こえそう。
ところがです。力強く砂かきしすぎるのか、(飛び散らない設計のトイレのはずなのに)周りに砂が飛びます。結局、掃除が大変で、私の足の裏もじゃりじゃりというわけ……。
あちらが喜べばこちらが大変。猫の快適さと飼い主の快適さは一致しない、とつくづく思いました。でも猫たちが気にいっているなら、こらえるしかありません。猫に我慢されるよりはずっとよいですからね。
今日も気に入ったトイレをどんどん使ってちょうだい、砂くらい拾ってあげるから。
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