猫のクリプトコッカス症は鳥の糞が原因 人や犬も感染

猫エイズなどに感染して免疫力が低下していると発症しやすい
猫エイズなどに感染して免疫力が低下していると発症しやすい

Q:我が家に出入りしている推定5、6歳の雌猫が、クリプトコッカス症と診断されました。どのような病気で、どういったことに気をつければいいでしょうか?(埼玉県・女性)

A:糞はこまめに片付け、手で直接触れないで 

 クリプトコッカス症は、ハトやニワトリの糞(ふん)の中に存在する酵母様真菌の一種「クリプトコッカス・ネオフォルマンス」に感染することで起きる、呼吸器系および神経系の疾患です。菌を含む糞が乾燥してチリやホコリとなり、それを吸い込むことで感染します。

 猫で多く見られ、猫エイズや猫白血病などに感染し、免疫力が低下している場合に発症しやすいとされています。犬や人もかかる人獣共通感染症です。

 猫がこの病気にかかるとまず、くしゃみや慢性的な鼻水などが出るようになります。進行すると、鼻の変形や鼻の中に肉芽ができるといった症状も一般的です。肉芽ができてしまうと、頭が傾いたり眼球が左右に揺れ動いたりする神経症状が見られるようになることもあります。

 治療法としては多くの場合、抗真菌薬を与えることになります。猫の状態を見ながら、最低でも2カ月は続ける必要があります。長ければ1年以上の治療を要することもあります。

 人獣共通感染症なので飼い主も感染しないよう、気をつける必要があります。感染している猫の糞はこまめに片付け、その際には手で直接触れないようにしましょう。なお人への感染も、猫より、ハトなど鳥の糞からのほうが可能性が高いです。飼い猫が感染したような場合には、庭やベランダなどに鳥の糞が堆積(たいせき)したり、ホコリが舞い上がったりしないよう、頻繁に掃除をすることが肝心です。

山根義久
1943年生まれ。動物臨床医学研究所理事長、倉吉動物医療センター・米子動物医療センター 会長、東京農工大学名誉教授。医学博士、 獣医学博士。2013年まで日本獣医師会会長を務めた。

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動物臨床医学研究所の理事長を務める山根義久獣医師が、ペットの病気に関する質問にわかりやすく答え、解説するコラムです。
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