失った猫にそっくりな捨て猫 家族みんなに可愛がられ、姫に成長
公園に生後間もない子猫たちが捨てられていた。かつて病気に気づけずに飼い猫を失った女性は、譲渡サイトでその中の1匹を見た時、「この子だ!」と思った。亡くなった猫にそっくりだったのだ。すでに家にはおじいさん猫が2匹いたが、子猫は家族みんなから可愛がられ、“姫”として育った。
公園に捨てられていた子猫たち
2009年5月、大阪府内の公園に生まれたての子猫が4匹捨てられていた。新聞配達員が発見した。
新聞配達をしていると捨て猫に気付くことが多いそうだ。その人の家では、すでに3匹の子猫を保護して飼っていたので、これ以上は飼えないと、すぐに保護猫の譲渡サイトで引き取り手を募集した。4匹の子猫は生後1カ月くらい、ミルクしか飲めない状態だった。
兵庫県に住む山崎さんは、以前は5匹の猫を飼っていたが、2009年2月に3匹目の猫を16歳で失い、2匹の猫と暮らしていた。そんな時、初めて譲渡サイトを見た。
「こんなにたくさん譲渡を待っている猫がいるんだと驚きました」。選びようがないので、地域を決めて検索してみた。
昔飼っていた猫にそっくりな子猫
そうして新聞配達員が保護した子猫を見つけた。中に山崎さんが以前飼っていた「キキちゃん」にそっくりの子猫がいたのだ。「この子だ!」と思った。
キキちゃんは、結婚前から飼っていた猫だが、だんだん食事を摂らなくなり、気付いたときには、肝臓を病んでいた。その時の後悔もあって、キキちゃんに似た子猫を見たとき、山崎さんは迷わず「この子にしたい」と思ったという。
2009年5月、山崎さんは兵庫県から大阪まで子猫を迎えに行った。
子猫は思っていたより小さくて可愛かった。「はなちゃん」と名前を付けた。はなちゃんは山崎さん宅に来ても、まったく物怖じすることなかった。1カ月ほど他の猫と離してケージに入れて育てた。先住のおじいちゃん猫たちは、はなちゃんに上に乗られても、耳をかじられても“姫”のように可愛がった。
姫のように可愛がられ
山崎さん宅の先住猫は、年長のオス猫が17歳、もう1匹が15歳だった。はなちゃんはおじいちゃん猫たちに甘やかされ、とてもわがままに育った。人間も小さなはなちゃんを文字通り猫っ可愛がりした。
はなちゃんは、すっかり姫として成長した。自分の後に家に来た猫には一切関心がないようだ。世話もしないし、遊びもしない。自分は猫じゃないと思っているのか、他の猫を猫だと認めていないのか、人間にしか心を開かないのだ。
身体は3.2キロと小柄だが、態度は大きい。他の猫がいないところでは家人にお腹を見せて甘えるが、他の猫がいると「フンッ」としている。人間のひざは「私の場所」で、他の猫が乗っていると、「ここは私の場所よ」というようにバシッとたたく。寝ているお母さんの脇も指定席になっている。
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