放浪しボロボロになったオッドアイの白猫 終のすみかが見つかる
左右の目の色が違うオッドアイの白猫が、放浪の末、ケガをして保護された。誰かに捨てられたのか、とても人懐っこい猫だったが、保護当時は白い毛も薄汚れていた。その後、猫好きな家に引き取られ、安心できる終のすみかを手に入れた。
ケガをして汚れていた白い猫
兵庫県の淡路島。2019年3月、左右の目の色が違うオッドアイの白猫が、ケガをした状態でお寺近くにいて保護された。
もともと保護団体「淡路ワンニャンクラブ」がTNRをしようとしていた猫だったが、一時姿を見せなくなり、4カ月後に再び現れた時には、ふかふかだった白い被毛が汚れていた。右目はブルー、左目は黄色。けんかで負けたのか、肉球もケガしており、爪が引っ込まない状態だった。
ボランティアが2日間かけて汚れを拭いたが、それでも汚れが残り、真っ白にはならなかった。検査をすると、猫エイズキャリアだとわかった。
前歯がなく、獣医師は歯肉炎で下の前歯が抜けたのかもしれないと診断した。そのため舌がちょろっと出るところも可愛らしかった。ケンカで折れたのか、上の牙も1本折れていた。
それでも、とても人懐っこく優しい性格だったため、もともとは誰かに飼われていて、捨てられたと考えられた。
「外で生きていくのは難しい」
淡路ワンニャンクラブがブログで紹介すると、すぐに譲渡希望者が現れた。譲渡の準備をしていたが、都合でキャンセルしたいと連絡があった。スタッフは、TNRをするか、もう一度希望者を募集するか悩んだが、その白猫は優しい性格でもあり、外で生きていくのは難しいと考え、譲渡先を探すことにしたのだという。
保護当時患っていた猫風邪が治り、他の猫と一緒に過ごすようになった。ブラッシングしてもらったり、扉が閉まっていたケージから器用に外に出てみたり、楽しそうに暮らしていた。
ずっと前から家にいたように
奈良県に住む上本さんは、淡路ワンニャンクラブから猫を譲渡してもらったことがあり、よくブログを見ていて、その白猫に目をとめた。
「きれいなオッドアイで、この子を最後の猫として迎えようと思いました。昔からオッドアイの子を飼ってみたいと思っていたんです」
2019年4月、白猫は上本さんの家にやって来た。「星(せい)」という名前をもらった。
星くんは、思っていたよりも大きくて6キロ以上あった。推定5歳くらい。人に対してまったく警戒心がなく、最初から抱っこすることもできた。
「家に来ても平気で、ずっと前から住人だったような顔をしていました。先住猫たちが怖がって、シャーシャーいっていましたが、星のほうがぐいぐい近寄って行って、猫パンチをされても、気にしていないようでした」
星くんは新しい環境と仲間にすぐに慣れ、その後も元気に暮らしている。
上本さんは印刷会社のデザイナーでもあり、淡路ワンニャンクラブの卒業猫を掲載したカレンダーを毎年作って、寄付している。
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