オンラインヨガに愛猫乱入 “猫に邪魔されたい願望”は叶ったが…

 猫と暮らす人にとっての“猫あるある”。

 例えば、パソコン作業中にキーボードに乗ってくるとか、膝に乗られて足がしびれて動けなくなるとか、出かけようとしたらバッグに乗っているとか、色々あります。

 これらは、猫と暮らす前は“猫って本当にそんなことするのかな……経験してみたいなぁ”なんて思っていましたが、意外とすんなり経験できるものです。

 経験したらしたで、その瞬間は結構困るわけですが、猫飼いたるもの、たいがいの人が猫の下僕ですから、そんな生活こそが至福とも言えます。

 そして、この外出自粛の生活で、またひとつ、経験済みの“猫あるある”が増えました。

いつもの窓際で仲良く寝る2匹
いつもの窓際で仲良く寝る2匹

猫に邪魔されたい願望は下僕の証

 前回、夫の会社のビデオ会議にあんずが参加したと書きましたが、実はとっても、とっても羨ましかったんです。

 夫は「あんずがなかなかどいてくれなくて参ったよ」とか困りつつも、それを上回って嬉しそう。さすが猫の下僕中の下僕です。

 会議の参加者に笑われたり、「かわいい~」とか言われたりしたそうで、さぞや場が和んだことでしょう。

 私も、困りつつもほっこりしたい……!

 しかし、会社員でない今、会議の予定など皆無です。一体どうすれば……流行りのオンライン飲み会でもやれば猫が乱入してくれそうですが、子育て中の今、その予定すら皆無という悲しい状況(子育て関係なく、友達がいないのでは)。

 しかし、仮にオンライン飲み会があったとしても、猫が乱入してきて困ることなどありません。会議の場合は、真面目に進行しなきゃいけないところに、猫が居座るから困るのです。猫あるあるは、“ちょっと困る”ことこそ、肝なのだから……!(個人的な見解です)

 まぁ憧れの状況ではあるけれど、私には無縁なのだな……と諦めておりました。

 しかし、“その時”はやってきました。

乱入好きのあんず
乱入好きのあんず

オンラインヨガで、猫乱入が実現

 かつて通っていたヨガ教室で、“オンラインヨガ”が始まりました。ビデオ会議ツールを使って、自宅でヨガ教室同様にヨガのクラスが受けられるのです。

 なかなか一人ではヨガに集中できなかったので、参加してみることにしました。

 初回は夜の回だったこともあり、猫たちは私から離れた窓際でぐっすり眠っていて、猫のことは忘れてヨガに集中していました。仕事以外で何かに集中できたことが久しぶりで、かなりリフレッシュできました。

 そして2回目の参加は午前中。夫と子どもは散歩にでかけたし、ヨガに集中できる。そう思ってスマホを設置し、先生とオンラインでつながりました。

 そのときの参加者は、たまたま私一人のマンツーマン。先生と体調のことなど話していると、サビ猫の“あんず”がニャーニャーと鳴きながらやってきました。

「ニャーニャー!(誰と話してんの? 何か楽しいことしてるんでしょ!)」

 ああ、来たか……。憧れのシチュエーションだったはずが、実際に起きると意外と本気で困るものです。

 すると、先生があんずに気づいて言いました。

先生「あら、猫ちゃん! 猫って、必ずヨガに参加してきますよね」
私「やっぱりそうなんですか」
先生「遊んでいると思うんでしょうね」

 確かに、来客や電話のとき、楽しそうに見えるのか、多くのシーンであんずは首をつっこんできます。以前、私が一人でヨガをしてきた ときも邪魔しにきました。1回目のオンラインヨガに参加してこなかったのは、むしろ奇跡だったかもしれません。

私「あんずちゃん、ちょっとあっちに行ってて~終わったらおやつあげるからぁ~」

 そう小声で言いましたが、あんずは鳴きながら何やら訴えかけてきます。そこにいるだけなら別にいいのですが、鳴きながらウロウロするので、気が散るのです。

私「ごめんね、あっちへ行っていて~」

 あんずを抱っこして、相棒猫の“モモ”が寝ているほうへ移動させました。別室といえば寝室だけなので、水もトイレもない場所にあんずを閉じ込めておくわけにはいきません。

 すると、あんずは私の真剣モードを察して、おとなしくモモがいるベッドで寝てくれたようでした。

モモはビビりの性格のためか、乱入はしません
モモはビビりの性格のためか、乱入はしません

毛がサワサワして無になれない…

 落ち着いて先生のガイドを聞きながらヨガをしていると、ものの10分も経たないうちに、あんずが舞い戻ってきました。もちろん、「ニャー」と鳴きながら。

 もう、あんずを無視して続けよう……。

 そばにいるだけならまだしも、とにかく歩いてまとわりつく、あんず。無視して続けると、つまらなくなったのか、またどこかへ。……というのを何度か繰り返し、最後の“シャバアーサナ”のポーズへ。これは、“屍のポーズ”とも言い、仰向けになって目を閉じ、気持ちを無にして静かに過ごすポーズです。

 無になって……無に…。

「ニャァ~」

 なれない……。足元に座っているのか、毛がサワサワと気になります。

 無になれないまま1時間のレッスンが終了。最後は、あんずを抱っこして先生に紹介しました。そうすると、じっとしていられなくて逃げちゃうんですけどね。

 困らせるつもりがあるのかどうか分かりませんが、飼い主の思い通りにいかないところがまさに“猫あるある”。実際に出くわすと、嬉しいばかりでないのが本音です。

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安田有希子
2015年からsippoにて「猫アレルギーですけど」の連載開始。2匹の元保護猫と暮らして4年目に猫アレルギーが発覚するも、平和に暮らす。猫の好きなパーツは、小さく並んだ門歯。幼少の頃「うちのタマ知りませんか?」のすごろくに大ハマりした年代。栃木県出身。

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この連載について
猫アレルギーですけど
普通の家で飼われている猫「あんず」と「モモ」。飼い主の主婦が、2匹との生活や発見をユニークな視点で切り取る人気連載です。
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