春から気をつけたい愛犬の脱水症 水や器を選ぶ時のポイントは
例年よりもかなり早く桜が開花した2020年。暖かな季節の訪れとともに、気がつかないうちに愛犬が「脱水症」になってしまうかもしれません。愛犬の体に負担のない水や器の選び方、給水方法などについて、プーアル動物病院(東京都)院長の小野祐新獣医師に聞きました。
脱水症は命にかかわることも
――飼い主が犬のケアでこの時期に気をつけたいことはなんでしょうか?
やはり、気温上昇による脱水症ですね。脱水症は重篤になると命にかかわることもありますので、飼い主がしっかりと管理しましょう。寒いからと言って、室温をあげすぎても、脱水症になることもありますし、これからの季節、外気温も上がってきたらさらに、脱水症には気をつけなければいけません。犬の体の60%から70%が水分で、体重の10%以上の水分が失われると、生命の危険があります。
――犬が飲みやすい器など、おすすめはありますか?
特に小型犬に多いのですが、下を向いて水を飲むと、首が詰まってしまいむせてしまうことがあります。犬ののどがまっすぐな状態で水が飲めるような高さの器を用意するか、器に高さが無い場合は、れんがやブロックのようなものを下に置いて、高さを調整すること。犬が苦しくない状態で、むせることなく水を飲むことができます。
または、壁掛けタイプの給水器などもいいですね。家の中でも、犬が快適に水を飲める工夫をしましょう。
積極的に水が飲めるよう工夫を
――犬にあげる水は水道水でよいのでしょうか?
水道水でも問題ありません。気をつけなければならないのは、硬水です。ミネラルウォーターの中でも、カルシウムやマグネシウムなどが多い、一般的に「硬水」といわれるものの過剰摂取は、尿石の原因になり得ます。
まだ身体が出来上がっていない子犬でも、日本の水道水はほとんどの地域が軟水なので、水道水で大丈夫ですよ。
――散歩中にはどのくらいの頻度で水を与えるのが理想でしょうか?
夏場などは、散歩中でもこまめに水をあげてください。舌を出して暑がる様子が見られたら、水をあげるとよいでしょう。
なかなか水を飲んでくれない犬用に、飲料水に混ぜる栄養補助食品などもあります。動物性たんぱく質(すべての必須アミノ酸)や、必須ビタミンとミネラル、オメガ脂肪酸などが含まれているものです。保存料や着色料なども含まれていないため、腎不全の犬にもよく処方するものです。
人間用に販売されているものより、ペット用として作られているものにしてください。積極的に水が飲めるように、飼い主が工夫しましょう。
――1日当たり、どのくらいの量の水を与えればよいのでしょうか?
体重1㎏あたり、40CCから50CCを与えるようにしてください。ペットの体重に合わせて、水の量を調整しましょう。
また、もし、ペットが異常に水を飲むようなことがある場合は、何かしらの病気が考えられます。例えば、糖尿病、子宮蓄膿症(雌の未避妊犬)尿崩症などですね。1㎏あたり100cc以上の水を飲むような場合は、すぐに受診することをおすすめします。
- 監修:小野祐新先生
- プーアル動物病院 院長・獣医師。東京・文京区にあるアットホームな動物病院。動物用サプリの臨床研究も行っている。飼い主さんの話をよく聞き、それぞれのペットのライフスタイルに合った獣医療を日々研鑽中。
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