会長の高級車に籠城したヤンチャ子猫 新しい家でもやりたい放題

 猫が車の下やボンネットの中に入ってしまうことがある。特に寒い時期に多く、事故を防ぐため「猫バンバン」という運動があるほど。その子猫は、車を選んだのか、信用金庫会長の高級車のボンネットに入っていた。子猫はなかなか捕まらず大人たちを翻弄。保護され、引き取られた後も、好奇心旺盛に育っている。

(末尾に写真特集があります)

レクサスの中に入った子猫

 奈良県内でイタリアンレストラン「トラットリア前澤」を営む前澤さん夫妻。2018年6月、夫は用事があって、奈良県桜井市の信用金庫に出かけた。すると、何やら駐車場に人が集まっていた。

 近づいてみると、駐車していた会長のレクサスのボンネットの中から子猫らしい鳴き声がするというのだ。鳴き声は、前日から聞こえていたという。どうしてもボンネットから子猫を出せず、JAFに頼んでも、どこにいるのか分からないため取り出せない。信用金庫の職員がエサを使って猫をおびき出そうとしたが、一向に出てくる気配はなかった。

いたいけな子猫時代 「レクサス? 覚えてないなあ」

 鳴き声がしなくなったと思うと、子猫はいつの間にか別の社員の車に移動していた。人に見つかるとすぐ逃げ、今度は前澤さんの車のタイヤの上に乗ったという。前澤さんの夫が子猫をわしづかみにして一件落着した。金融機関で保護された子なので、「バンクくん」と名付けられた

動画を見て子猫に一目惚れ

 保護した翌日、前澤さんは子猫の動画をフェイスブックに載せた。保護当時から大物っぷりを発揮していたが、前澤さんはいつも上から見張られているように感じたという。

 前澤さんの知人で、大阪に住む有吉さんは、その動画を見てバンクくんに一目惚れしたという。

「子どもの頃、猫を飼っていたのですが、バンクはやんちゃで可愛くて。最初は動画を見ているだけで、引き取るつもりはなかったのですが、成長ぶりを見ていると、次第にバンクを飼いたいという気持ちもが募っていったんです」

ジーンズの上でポーズ!

緊張は最初だけ、好奇心旺盛に

 2018年9月、有吉さん宅への譲渡当日、バンクくんはキャリーに入れられても「どこに行くんだろう」というようにずっと緊張していた。家に着いてキャリーから出しても、ソファの下や押入れに隠れてしまった。それでも夕方には、ごはんを食べに出てきた。トイレもすぐにできたという。

「人見知りが激しいのは昔と代わりませんが、今ではやりたい放題やっている感じ。冷蔵庫の上や食器棚の上、小さな仏壇の上にいることもあります。亡くなった父は動物好きだったので、それも許してくれるでしょうけど」

 保護当時、生後1カ月半くらいの子猫だったバンクくんも、すっかり大きくなり、いまでは7キロまで成長した。押入れやクローゼットの中、トイレやお風呂のドアが少しでも開いていると、中に入っていく。知らない場所にどんどん入りたいようで、好奇心の旺盛さは、いまも健在だ。

渡辺陽
大阪芸術大学文芸学科卒業。「難しいことを分かりやすく」伝える医療ライター。医学ジャーナリスト協会会員。朝日新聞社sippo、telling、文春オンライン、サライ.jp、神戸新聞デイリースポーツなどで執筆。FB:https://www.facebook.com/writer.youwatanabe

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この特集について
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