建物の間から、また子猫 しかも誕生日 「思わぬプレゼントに」
そこが野良猫の通り道なのだろうか。2年続けて、同じ建物のすき間から子猫が見つかった。しかも、その2回とも、保護主の誕生日だった。
大阪府に住む井田さんは、勤務する会社の建物のすき間から、壁を壊して救出した子猫「こてつ」を飼っている。
その「こてつ」を救出したのは、1年前の井田さんの誕生日だった。それから1年たった2018年6月。
「パート仲間と『また誕生日プレゼントに、猫が来るんじゃない』と冗談を言っていたんです。そうしたらその時、本当に壁の向こうからニャアニャアという鳴き声がして!」
出てきたのはキジトラの子猫
前の年に「こてつ」を保護した時に開けた壁の穴は、段ボールで塞いだだけだった。井田さんは段ボールを取り払って、鉄骨の中に手を伸ばして、猫を助け出した。やはり産まれたばかりの子猫だった。
「キジトラの子猫。今回は壁の間に手を伸ばして保護できたので良かった。思わぬ誕生日プレゼントになりました」
当日、母猫は現れず、後日やって来た母猫と思われる猫は、捕獲して、不妊手術を施して元に戻したという。
子猫は生後1カ月くらいまで授乳の必要がある。たとえ夜中でも2時間おきにミルクを飲ませねばならないという。会社の社長は、前にこてつを保護した時と同じく、井田さんが子猫を連れて通勤し、2時間おきに授乳することを許可してくれた。子猫は「小夏」と名付けられ、家猫になった。
子猫がきっかけで保護活動に
井田さんは、幼い頃、お母さんが「生き物はお金で買うもんじゃない」と言っていたのを覚えている。犬や猫は人からもらったり、拾ったりして飼うものだと思って育った。子どものころ、近所で産まれたヨークシャーテリアをもらって飼っていたこともあり、犬好きだった。
ところが、2017年6月に、こてつを保護して以来、野良猫に関心を持ち、猫の保護団体「瓜破(うりわり)猫の会」を作って活動するようになった。
「猫に関する知識が豊富だったわけではなく、ゼロからのスタートでした。猫のTNRをされている『大阪猫の会』など、猫の保護活動をしている人や獣医さんにいろんなことを教えてもらっています」
井田さんは、猫を保護して譲渡するだけでなく、近隣の人に猫の保護活動について知ってもらうため、回覧板に手作りのビラを入れてもらったこともある。預かりボランティアをしてくれる仲間もでき、草の根で保護活動を続けている。
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