犬派のネイリスト、言うこと聞かない兄妹猫迎え人生観変わる
自宅でネイルサロンを開業したいと思ったのは愛犬「クレア」のためでもありました。オーナーであり、2児の母である石田佳織さん(40歳・京都市在住)は元々、ゴリゴリの犬派。寂しく留守番をさせていたクレアとの時間をもっと大切にしたいと会社勤めと並行してネイルスクールに通い、休日にはサロン勤めを経験し、結婚を機に退職。満を持して自宅サロンを開業するに至りました。でもそんな愛犬家の佳織さんがなぜ愛猫家に?
(末尾に写真特集があります)
2018年9月、石田家は2匹の兄妹猫を保護猫カフェから迎え入れました。キジトラ? アメショー風の猫が「勝四郎(かつしろう)」(オス)、白ベースで頭にタイヤ痕柄(稚拙な表現ですまねぇ)のある猫が「志乃(しの)」(メス)。人見知りな勝四郎は私を見るや否やピューと冷蔵庫の裏に隠れてしまいました。こんな時は深追いをせず、出てくるまで気長に待つことにしています(別に撮れなくてもいいや)。そんな心持ちで功を奏することもあります。
佳織さんが猫を飼いたいと思ったキッカケは二つありました。ひとつは愛犬クレアの死。享年16歳、ボーダーコリーの平均寿命を全うし、「自宅での仕事を選んでよかった」と思うと同時に、動物のいない生活に家族は物足りなさも感じていました。そんな中、子どもたちがテレビの影響で「猫が飼いたい!」と言い出すのです。もうひとつはお客様からの「猫ネイル」のリクエストです。猫を飼うお客様の多数が自身の爪に猫モチーフの絵をリクエストするようです。「犬の飼い主はそんな風じゃない」と犬としか暮らしたことがなかった佳織さんにはちょっとした衝撃で「猫ってそんなに魅力的な生き物なんだ」と強く意識するようになっていたことから、「じゃあみんなで保護猫カフェに行ってみる?」。お客様から「保護猫」事情も聞いていて、ペットショップで買うという選択肢はなかったようです。
京都の猫カフェで見たアメショー風の柄、勝四郎に一目惚れした佳織さんたち。申し込みをすると、「2匹同時」が条件でした。が、これもネイルのお客様の声「初心者は多頭飼育の方がいいよ」というアドバイスもあって、即受け入れるのでした。そもそも2人の子どもを育てる母として2匹を離れ離れにすることは絶対にあってはならないと思った、という方が正解なのかな。
猫カフェからは1ヶ月のトライアル=試用期間が設けてありました。それは他の動物との相性を探ること、また人間との相性や覚悟を決める期間です。そんな中、佳織さんは猫に「コマンド」が効かないことに愕然としました。クレアは警察犬訓練場に通い、しつけました。犬は主従関係を築くことでお互いが生き易く、周りにも安心・安全になる生き物。しかし、猫たちは一切言うことを聞いてくれませぬ(笑)。「犬の時とちゃうー!」(ちゃう=違うの意)
一方、ご主人、子どもたちは「しつけ」に関しては無頓着。ただただ可愛い猫たちに癒され、佳織さんだけ置き去りにされた気分になるのでした。
1ヶ月間のトライアル期間を経て無事に正式譲渡が決まり、勝四郎と志乃はそのままの名前で石田家の家族になりました。そして、一緒に暮らし始めて半年が経過、佳織さんにも心境の変化が。
自分がどう見られているか? 常に「周りの評価」を気にしていた人生だったと佳織さんは語ります。犬も同様で、常に飼い主の顔色を伺って共生している。しかし、猫は違いました。それがいまの自分にぴったりな生き方だなと思うように。「存在しているだけでいい」「あるがまま生きるだけで価値がある」と周りの評価は二の次だと勝四郎・志乃に教えてもらったようです。
自宅サロンでもオンとオフをハッキリさせたいと意気込んでいたものの、猫が気になってなかなかサロン部屋に行けないとか、猫を眺めているうちに日が暮れて仕事が後回しになることもしばしば。「これが丁度良い加減なのかな」と人生観にも影響を及ぼした猫暮らしに今は感謝する佳織さんでありました。
- 撮影テクニックの説明
- テクニック1【連写】
遊びのシーンは連写機能に頼る。ただし撮り過ぎると後のセレクトが大変…。
テクニック2【対角構図】
対角線を意識した写真。動きと流れ、奥行きが出る。またシックな大人空間に猫じゃらしの鮮やかな色が映えた。
テクニック3【ケージ越しに撮る】
レンズをケージにピタリと付けて、猫の目がクリアになるスペースを探って撮る。(絞り開放)
佳織さんのInstagram:@glsn_kaori
子猫時代の写真提供、にしたにけいこさんのInstagram:@nekoplus5656
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