初めて飼った子猫 なじんだと思った瞬間に「シャーッ!」

今では11歳のカリン
今では11歳のカリン

 初めて飼う子猫。猫好きとはいっても、とまどうことも多い。トライアル中になじんだと思った子猫がいきなりシャーッと威嚇してきた。

(末尾に写真特集があります)

 奈良県内の倉庫内にいた子猫の兄弟が個人ボランティアに保護され、インターネットで譲渡先の募集がかけられた。

実家の猫に似た子猫

 京都府の新谷さんは、結婚して初めて京都で暮らしていた。夫は出張が多く、一人で過ごす時間が長く寂しかったこともあり、猫を飼いたいと思い、半年ほど探していた。夫婦とも実家には犬や猫がいたが、自分で世話をしたことがなかった。「本当に責任をもって育てられるか」と夫は心配していたという。

 ネットで、実家で飼っていたキジ白ハチワレの猫に似たかわいらしい子猫を見つけたのは、そんな頃だった。

「一目ぼれでした。『こんな子がいるけど、どう?』と、主人に写真を見せたのですが、可愛いなと言ってくれて」

 2008年6月、生後4カ月の子猫を譲渡してもらうことになった。「カリン」と名付けた。

メイドさんのコスプレはいかが?
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トライアルでまさかの反応

 カリンをトライアルで家に迎えた時、仕事を1週間休んで様子をみていたという。

「最初はすごく怖がっていて物陰に隠れていましたが、トイレはすぐに使っていました。2日目くらいにはかなり家に慣れてきて、ご飯も食べてくれました。でも、膝の上に乗って眠っていて、その後目覚めて下に降りて遊んでいた時、急にシャーッと言って威嚇してきたんです」

 慣れてきたと思った時に起きた、まさかの出来事。「どうしたらいいんだろう」と泣いてしまったという。

 それでも「譲渡してくれたボランティアさんが、いろいろ相談に乗ってくれました。トライアル後もやりとりしていたので、乗り切れました」

 初めての猫に最初は不安げだった夫も、実際に子猫カリンを迎えると、すぐにメロメロになった。

 生後4カ月で迎えたカリンも、今では11歳。シャイで甘えん坊、お姫様のような性格だという。その後に迎えた猫も同居しているが、カリンはとにかく自分が一番じゃないと気が済まない。それでも新谷さんが好きなコスプレにはよく付き合ってくれるという。

渡辺陽
大阪芸術大学文芸学科卒業。「難しいことを分かりやすく」伝える医療ライター。医学ジャーナリスト協会会員。朝日新聞社sippo、telling、文春オンライン、サライ.jp、神戸新聞デイリースポーツなどで執筆。FB:https://www.facebook.com/writer.youwatanabe

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この連載について
幸せになった保護犬、保護猫
愛護団体などに保護された飼い主のいない犬や猫たち。出会いに恵まれ、今では幸せに暮らす元保護犬や元保護猫を取材しました。
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