屋根裏から救出された子猫 新しい家で、仲間に出会う
住宅の屋根裏で、野良猫が子猫を産んだ。保護団体に救出された子猫のうち1匹は、京都にもらわれ、先住猫とまるで姉妹のように仲良く暮らしている。
子猫5匹を慎重に捕獲
2016年の春。大阪府内にある住宅の屋根裏に、猫の親子が住み着いていると、保護団体「ワンハート大阪」に保護の要請があった。ワンハート大阪は、とりあえず屋根裏の入り口付近にフードを置いて、捕獲器を持参するまで静かに見守ってほしい、と家主に伝えたという。へたに刺激すると、母猫が異変を察知して、すべての子猫をどこかに連れ去る可能性があるからだ。
家主は、指示された通りフードを置き、一緒にキャリーも置いて、救出のスタッフを待った。
到着したスタッフが屋根裏をのぞくと、そこは静かで温かく、子猫を育てるにはぴったりの場所だった。キャリーには、なんと母猫が入っていた。すぐに5匹の子猫の捕獲に取りかかったが、追いかけ回すと、逃げ回って隙間から落ちて死んだり、けがをしたりする危険もある。慎重にすべての子猫を捕獲した。母猫は警戒心が強かったため、不妊手術だけして放ったという。
先住猫と“姉妹”に
京都府に住む芝さんは、2016年にワンハート大阪から、白キジの猫「姫ちゃん」を迎えていた。夫婦とも夜勤のある仕事で、家を空けることが多く、1匹だと寂しそうだったため、2匹目を考えていた。「家を出ていく時、ニャーと悲しげな声で鳴いていたんです」
芝さんは姫ちゃんを引き取ってから、ワンハート大阪のブログをよく見るようになっていた。あるとき、屋根裏から5匹の子猫が救出されたことを知った。オス3匹とメス2匹の兄弟だった。
「なんだか、すぐにピン!と来たんです。この子がいいって」
2016年5月、ワンハート大阪から2匹のメスを連れてきてもらい、先住のメス猫、姫ちゃんとお見合いをして、相性のいい子をもらうことにした。「1匹は家の中をあちこち探検していました。もう1匹は怖がってテレビの後ろにずっと隠れていたので、元気のいい子のトライアルをすることにしました」
子猫は「小判」と名付けられた。
「私は毛色から『きな粉』か『小麦』という名前を考えましたが、主人が猫に小判の『小判』にしようと(笑)。えー!!と思いましたが、毛色も小判色だし…、と納得して決めたんです」
小判ちゃんが来てから4、5日は、ずっと一緒にいられるように、芝さんは仕事のスケジュールを調整した。その後も家族みんなで交替しつつ、まだ子猫だった小判ちゃんの面倒を見たという。
最初こそ先住猫の姫ちゃんは、新入りの小判ちゃんを敬遠したが、いまでは、まるで姉妹のように2匹ぴったり寄り添う。くっついて猫だんごになったり、なめ合ったり、仲良く暮らしている。猫だけでの留守番も心配なくなったという。
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