猫様に見下ろされる気分? マニアックな写真集「ネコの裏側」
頭やおでこ、背中を体の“表側”と考えるなら、顎やお腹、肉球は“裏側”。普段は見えにくいけど、もっと見てみたい……。そんな猫の“裏”を“見放題”。マニアックな写真集「ネコの裏側」(辰巳出版)が発売された
(末尾に写真特集があります)
触れてみたくなるようなピンク色の肉球が、一つ、二つ、三つ。あれ? こんなふうになっていたの? と思わず見入ってしまう。への字の口元や、ホワホワと毛が密集した喉元や、シッポの裏側を見ていると、まるで秘密をのぞいているような気分にもなる。
ふだんは見られない部位を“まじまじ”と鑑賞できる理由は、アクリルボード(ガラスのような透明な板)に猫が乗っているから。だが、どの写真も自然で、猫が生き生きとしている。
「郡山の保護猫カフェなどで撮影しましたが、好奇心旺盛な猫たちが、我も我も(撮っておくれ)というように透明なボードに次々乗ってきました。ボードがたわんではらはらしたほどです」
こう話すのは、著者で撮影者の写真家・芳澤ルミ子さん。
どうやら猫たちにとっても、下が透けて見えるボードが珍しく、面白かったようだ。芳澤さんは、著書『にゃんたま』等マニアックな作風から、“猫フェチカメラマン”という新ジャンルを開拓したといわれる。本書も、類まれなフェチぶりが遺憾なく発揮されている。
珍しいのは透明ボードの上で複数の猫がフードを食べるシーン。ぺろっと舌を出す猫の顔は、アッカンベーをしているようでもあり、舌のざらざら感がリアルに伝わってくる。
「猫はやわらかい。そして、下から見ても美しかった。でもたまに、驚くような不気味な表情もしていました」
写真はすべて下から撮影しているが、写すうちに、芳澤さんの気持が変わっていったのだという。
「猫を下からのぞくという願望が、猫に上から見下ろされるという快感に変わっていきました(笑)」
猫をもっと知りたい、あらゆる角度から堪能したいという人にお勧めの楽しい一冊。アクリルボードが付いた「ニャンダフルシェルフ」の読者プレゼント応募券も付いている(応募締切2018年5月30日)。
(藤村かおり)
価格 本体1000円(+税)
発行 辰巳出版(タツミムック)
著者 芳澤ルミ子
デザイン 南幅俊輔(デザイン事務所コイル代表)
判型 A5変形 96頁オールカラー
sippoのおすすめ企画
「sippoストーリー」は、みなさまの投稿でつくるコーナーです。飼い主さんだけが知っている、ペットとのとっておきのストーリーを、かわいい写真とともにご紹介します!
LINE公式アカウントとメルマガでお届けします。