猫の腎臓病、早期発見が大切  7歳になったら定期検査を!

(写真は本文と関係ありません)
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  • :慢性腎臓病になる猫が多いという話を聞きました。
    :猫の死因としては、がんに次いで2番目に多いと言われています。目立った症状がないままゆっくり進行するので、飼い主さんがなかなか気付きにくい病気です。気付いた時にはかなり進行してしまっていることも少なくありません。
  • :どんな病気なのでしょうか?
    :老齢の猫ほど発生頻度が高まり、日本にいる7歳以上の猫の4割が、この病気にかかっているという研究もあります。腎臓に流れ込む血液量が減少し、さらに腎臓の濾過(ろか)機能も低下していく病気です。初期にはほとんど症状がありませんが、次第に食欲や元気がなくなり、水を多く飲んで頻繁にオシッコをする多飲多尿(たいんたにょう)の症状が出始めます。

    病気が進行すると嘔吐(おうと)や下痢、貧血の症状が見られるようになります。尿の中に排出されるべき老廃物が体内に蓄積していくので、高窒素血症を起こし、尿毒症へと進んでいきます。この段階ではけいれんや昏睡(こんすい)などの症状が出ます。ここまで進んでしまうと、数カ月以内に死んでしまいます。
  • :予防法などはありますか?
    :原因がわからないため有効な予防法はなく、治療しても腎臓が元の状態に戻ることはありません。ただ早期に発見できれば、進行を遅らせることができます。

    まず、猫が7歳になったら、特に症状がなくても定期的に血液検査をしましょう。血中クレアチニン値などを見れば発症の有無や進行の程度までわかります。この段階で病気に気付いてあげられれば、進行を抑えていけます。

    次の段階としては、オシッコの状態をよく観察しましょう。多飲多尿は慢性腎臓病の典型的な症状ですが、さらにオシッコが無色・無臭で水のようだったら要注意です。
  • :病気になった場合、どのような治療をするのでしょうか?
    :食事療法が中心になります。獣医師とよく相談のうえ、療法食をとり入れていきましょう。また最近では、かなり治療の効果が期待できる薬も出てきています。これらを上手に使えば、進行を遅らせることが可能です。

    病気が進行し、食欲不振や下痢などで脱水を起こしてしまった場合、輸液や強制給餌(きゅうじ)をすることになります。人工透析をするケースもありますが、猫に負担が大きく、あまり一般的ではありません。

イヌ・ネコ ペットのためのQ&A

監修: 山根義久
編著: 公益財団法人動物臨床医学研究所
発行: パイ インターナショナル

山根義久
1943年生まれ。動物臨床医学研究所理事長、倉吉動物医療センター・米子動物医療センター 会長、東京農工大学名誉教授。医学博士、 獣医学博士。2013年まで日本獣医師会会長を務めた。

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動物臨床医学研究所の理事長を務める山根義久獣医師が、ペットの病気に関する質問にわかりやすく答え、解説するコラムです。
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