ローカル線の駅に暮らす3匹の “駅猫” ほのぼの写真日記

千葉県・房総半島にあるローカル線の駅で生まれ育った3匹のきょうだい猫たちの穏やかな日々を綴った写真集「駅猫Diary」(洋泉社、1,300円+税)が発売された。
(文末に写真特集があります)
通る電車は1日に数本というのどかな駅。3きょうだいは、そんな駅に住み着いた雌猫から生まれた。母親は出産後まもなく命を終え、ほかの子猫たちはもらわれていった。残された3匹を駅長さんが育てることに決め、“駅猫”が誕生した。母猫と同じような捨て猫の末路をたどることがないよう、避妊や去勢の手術もしたという。
白地に茶色のまだら模様で社交的な“ナオキ”、茶色い長毛でおっとりした“ユウタ”、キジトラの活発なお姉さん“ネネ”と、3匹は個性豊か。
レトロな風情ある駅で、乗客を迎えたり、列車を見送ったり、駅長さん手作りの小屋でくつろいだり……。気ままにのんびり暮らす駅猫たちの雰囲気にほれ込み、週末になると、つい足を運んでしまう人たちの思いが、写真集出版のきっかけになった。
同書で猫たちを優しく見守るエッセイを綴るのは、長年の猫飼いで保護猫活動にも力を入れる“しげぞう”さん。猫目線のほのぼのとした美しい写真は、インスタグラムの猫写真が多数のフォロワーに支持されるpunkumaさんが撮影した。
春は菜の花、夏の青空、秋は紅葉、冬は寒さに身を寄せて、季節の移ろいとともに生きる猫たちの姿がそこにある。眺めているだけで、本の中の猫たちのそばにいるような、心穏やかな気分になれそうだ。ページ番号の横にある猫の足跡も、正真正銘の駅猫たちの足跡といった、こだわりに満ちている。

また、同じく洋泉社から出版された「猫の日本史」(1,050円+税)も、猫好きには注目の一冊だ。こちらは、古くから続く日本人と猫とのかかわりを探った新書。猫を中心とする人びとの交流や、歴史上の人物と猫とのほほえましいエピソードを歴史作家の桐野作人が編著した。
古代の愛猫家・宇多天皇の黒猫から、清少納言「枕草子」の猫、豊臣秀吉の愛猫失踪騒動など、歴史に足あとを残した猫の暮らしや、飼い主の姿を丹念にたどっている。猫と日本人の歴史ロマンに想いをはせてみては?
『駅猫Diary』
販売価格:1,300円+税
しげぞう (文)、punkuma (写真)
単行本(ソフトカバー): 94ページ
出版社: 洋泉社
『猫の日本史』
販売価格: 1,050円+税
桐野作人 (著, 編集)
新書: 287ページ
出版社: 洋泉社

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