犬猫の国内流通85万匹! ペットブームで15年度は10万匹増
2015年度に国内で販売されるなどした犬猫は少なくとも約85万匹で、前年度より約10万匹増えていることが朝日新聞の調査で分かった。流通量の増減のデータはこれまでなかった。流通量の3%にあたる約2万5千匹の犬猫が流通過程で死んでいたことも判明した。
改正動物愛護法(13年9月施行)で、繁殖業者やペットショップなどは「犬猫等販売業者定期報告届出書」を自治体に提出することが義務づけられた。流通の実数を把握するため、朝日新聞は14年度分と15年度分について、この事務を所管する都道府県や政令指定都市など99自治体にアンケートした(回収率100%)。
集計の結果、15年度は犬約69万1千匹、猫は約15万6千匹が販売・譲渡されていた。15年度は、14年度より自治体に届出書を提出した事業所数が少ないが、それでも14年度比で犬は約7万5千匹(12%)増、猫は約2万3千匹(17%)増で、ペットブームが続く中、国内流通量は増加していることが分かった。
また、繁殖から小売りまでの流通過程での死亡数(死産は含まない)は犬1万9866匹、猫は5088匹の計2万4954匹。14年度も死亡数は計2万3181匹で、両年度とも流通量の3%にのぼる。これは環境省が09年にペット店を対象に調査した際の推計値の33倍にあたる。
環境省の調べでは、15年度の全国の自治体における殺処分数は犬1万5811匹、猫6万7091匹。自治体や市民団体などの努力で、保護犬や保護猫を引き取る意識は高まってきてはいるが、流通量の増加により安易な飼育放棄が増えることも懸念されている。
日本動物福祉協会の調査員、町屋奈(ない)獣医師は「ペットはいまや家族の一員。獣医療が進歩し、かなり長寿にもなった。飼い始めた犬猫たちが快適に動物らしく、幸せに長生きできる環境を整えるようにしてほしい」としている。
(太田匡彦)
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